《生産者について》
2017年VTが日本に初入荷して以来、常にバイヤー片山の"推し"生産者であるフレデリック・フェリ。
その味筋は赤ワインにおいては淡い抽出とじわっと広がる旨味の「薄旨」なもの、白ワインにおいてはしっかり目に樽香を効かせた品がありながらリッチなものでした。
どうやら人気は日本だけではないようで、2020年当時は22AOC・計14haだった畑が、2022年には36AOC・32haまで急成長しているそうです。
ただし2022VTから体制が変更。醸造家がロランス・ダネル氏からフランソワ氏にバトンタッチ。味わいは少し方向性が変わりましたが、決して悪い方向ではありません。
分かりやすい変更としては赤白ともに新樽比率を少し下げたこと。赤ワインに関して抽出が淡い感じは弱くなり、果実感豊かで整ったイメージです。白ワインはそれほど大きな変更は感じられず、ボリューム豊かでリッチでありながら、美しい酸味が支えているイメージです。
《このワインについて》
このワインに関しては、全て自社の従業員で収穫し、選果台で1粒1粒房から取り外しながら選果しているそうです。
鼻の奥までストレートに入ってくるような、豊かに立ち上るバラやベリーの上品な香り。味わいも非常に立体的で、モレ・サン・ドニと比べてもより品があって伸びるような美しい酸味が魅力です。現時点ではまだしっかりタンニンがあるので、できれば待って飲みたいところ。村名格の中では最も風格を感じます。
Vosne Romanee Frederic Fery