《生産者について》
トカイ・オレムスは「ベガ・シシリア」と同じアルバレス家がオーナーのワイナリー。
1993年、社会主義崩壊のわずか3年後にアルバレス家はハンガリーに進出。荒廃していたこのワイナリーを取得し、改革に乗り出したのです。実はアルバレス家はトカイの生産についてかなり前から念入りに調査をしていたようで、近代的な醸造設備を備えながらも、伝統を尊重したワイン造りを行っています。
《このワインについて》
ユネスコの世界遺産にも登録されているこの地の貴腐ワインづくりは独特です。
貴腐化していない酸の高いフルミント種136Lに対して、ハンガリー語で「プットニ」と呼ばれる23kgの桶をつかって貴腐ブドウを加えます。その量によって「5プットニョス」「6プットニョス」という甘さの度合いが変わります。
トカイ・オレムスでは発酵が終わった段階で、貴腐ブドウのみからつくる「エッセンシア」をごく少量加えるそうです。トカイを代表するエッセンシアの魂を象徴的に加えているそうです。
まるで蜂蜜のような芳醇で甘い香り。煮詰めたアプリコットや新樽熟成によるヴァニラの香りも感じます。濃密な甘味をキレのいい酸味が引き締めます。10年程度前のワインならが、「熟成したワイン」とは全く言えず、この先何十年先でも美味しく飲めそうです。
Aszu 6 Puttonyos Tokaj Oremus