《生産者について》
グラハムベックは西ケープ州ロバートソンの地で、1991年に生産を開始しました。夏の日中は38-40℃に達する高温な地域ながら、夜は涼しい風が吹き込み昼夜の寒暖差があります。シャンパーニュ地方にも似たチョーク質の石灰質土壌が、気候の不利を覆し、世界レベルのスパークリングワイン用ブドウを育むことに成功しています。
グラハムベックの地位を短期間で押し上げた人物として、醸造家のピーター・フェレイラ氏は欠かせません。敬愛をこめて「ミスター・バブルス」と呼ばれる彼は、シャンパーニュでの経験も豊富で、この地でも完璧な泡を目指してフレッシュなスタイルのワインをつくり続けています。
《このワインについて》
南アフリカでピノ・ムニエに向いた土地を探し求めた末、ようやくたどり着いた上質な2区画からつくる特別なスパークリングワイン。生産量はわずか2200本で、そのうち66本だけが日本に入荷しました。
発酵の容器は4種。ニュートラルオーク、アンフォラ、セラミック製ポット、ステンレスタンクで発酵させたものを1/4ずつ使用します。おそらくブドウの風味を際立たせるためでしょう。熟成期間は24か月と比較的短め。
同じものは今後つくられるかどうかわからない、唯一無二のコレクションアイテムが「アーティザン・コレクション」です。
《アグラフ栓について》
このワインにはアグラフ方式でコルクが固定されています。アンリ・ジローの「アルゴンヌ」と同様のもので、ミュズレの代わりに太い金具で固定されている、珍しいタイプです。
コルクと金具の隙間にスプーンの柄やハサミを差し込んでひねると緩みます。「アグラフ栓 オープナー」などで検索すると動画も見つかります。
所見では戸惑うという点でも上級者向けと言えるでしょう。
Graham Beck Artisan Collection Pinot Meunier