《生産者について》
ルミエールの特徴の一つは、まずその歴史の長さです。
1885年に降矢徳義氏が降矢醸造場を創設を設立したのが始まり。1901年にはヨーロッパに習った地下発酵槽を建設し、それは「石蔵醗酵槽」として登録有形文化財になっています。
1992年に現在の「ルミエール」に社名を変更。2006年には新しい醸造棟が完成し、多くのワインを安定した品質でつくれるようになりました。「日本ワイン」という言葉が法律で定義されるより早く、2011年からEUやロンドンへ輸出をしており、日本ワイン業界をリードする存在の一つと言えるでしょう。
2021年にはDecanter World Wine Awardsで「光 甲州2018」がプラチナ賞を受賞したことで注目を集めました。
この歴史の長さから、ワインの値段がそう高くないのが魅力。生産量が多くラインナップが広いため高級品もありますが、それは品質に見合った値段。「日本ワインだから」という割高感は一切感じません。
《このワインについて》
メルロー、カベルネ・フランといったボルドー品種に、ブラック・クイーンという日本固有の品種などがブレンドされています。もともとは生食用に栽培されていたのですが、色が濃くポリフェノールも多く含むとのことで、ブレンドすることでワインに風味の強さを与えます。
「イストワール」とは「歴史」を意味するフランス語。日本の中でも特に歴史の長いルミエールの誇りが表れたワインなのでしょう。決して突飛ではない、昔から愛されてきた基本に忠実な味わいに感じます。
《テイスティングノート》
チェリーやカシスなどのフレッシュなフルーツの香り。口に含めばスムースな果実味が広がり、心地よいタンニンと酸味が刺激します。そのバランス感は同価格帯のボルドーワインに近いもの。果実味がリッチに前に出るでもなく、かといってフルーツ感がないわけでもない。
味わいの特徴として言葉にしにくいものの、代わりにフードペアリングの幅が広いことが魅力です。今晩のメニューがなんであれ、飲みたいのであればイストワールを開ける。そんな便利使いができるワインと言えるでしょう。
Lumiere Histoire