《生産者について》
カンパーニャ州には「タウラジ」「フィアーノ・ディ・アヴェリーノ」「グレコ・ディ・トゥーフォ」などの有名ワインがあります。一方でナポリという一大観光都市があるため、生産量より消費量が多い州です。手ごろなワインは地元消費される傾向にあるため、輸出され日本で飲めるのは選りすぐりのワインばかりと言えます。
この地の生産者の中で2大巨頭のひとつ、フェウディ・ディ・サングレゴリオ。そこで醸造責任者を務めていたマリオ・エルコリーノが2003年に設立したのが、今回ご紹介する「ヴィノジア」です。
彼はアブルッツォを本拠地とするファルネーゼ(現ファンティーニ)グループで醸造家として働いていたこともあり、消費者が求める味のワインをつくることはお手の物です。
所有畑は海抜400-700mと高いところにあり、石灰や粘土を多く含む火山性土壌。標高が高いことは昼夜の寒暖差が大きいことにつながり、ブドウはよく熟しながらも上品な酸味を持ちます。
「すぐにそして普遍的に楽しめるワインを造ること」
「造り手の想いとテロワールが詰まったワインを飲み手により身近に感じてもらうこと」
それが彼と弟の目指すワインだといいます。
《テイスティングノート》
ワイン名の「ネロモーラ」は「漆黒の果実」という意味。その名の通り色あいも味わいも非常に濃厚なワインです。
よく熟した黒いベリーの香りを、カラメルのようなオーク樽熟成の香りが包んでいます。アリアニコらしく豊富なタンニンを持ちますが、果実味豊かなのでそう目立つことはありません。この価格なのが信じられないほどの飲みごたえを持ちます。
Vinosia Neromora