《ブルゴーニュとバローロ》
ピノ・ノワール好きの中には「渋いワインが苦手だから」という人もいるでしょうが、ブルゴーニュの1級・特級を楽しむ人の中には少ないでしょう。長期熟成を念頭に作られた上質ブルゴーニュは、しっかり強いタンニンを持つからです。
ならばもう少し強い「バローロ」も一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
バローロは渋味の強い、しっかりとしたワインというイメージがあるかもしれません。しかしその実、ボディ感はそれほど重たくなく、ブルゴーニュのようなエレガントな酸味を備えたものもたくさんあります。特に近年は「クリュ」に注目し、畑の特徴を表現したバローロがたくさんつくられています。それでいて市場の小ささからか、ブルゴーニュのような価格高騰が見られません。
渋味が苦手でなければ、面白い世界を非常に廉価に楽しめるのが、単一畑のバローロです。
《生産者について》
ヴェリオ家は1900年代初頭よりブドウを含む果実や野菜の農家でした。先代のアンジェロの代で畑を購入。病気で倒れたアンジェロの代わりに、25歳の若さで経営を引き継いだマウロがワイナリーを設立しました。1992年に初めて「マウロ・ヴェリオ」の名義でワインをリリース。まだ「若い」生産者と言えるでしょう。
2022年、日本初入荷です。
《このワインについて》
マウロ・ヴェリオは14haの畑から、5つの単一畑のバローロをつくっています。「カステレット」はその一つで、他に「ガッテーラ」「アルボリーナ」「パイアガッロ」、レゼルヴァでリリースされる「ロッケ・デッラヌンツィアータ」をつくっています。
【パーカーポイント95点】
[ワインアドヴォケイト 2023年8月]
濃いブルーのラベルのマウロ・ヴェグリオ2019バローロ・カステッレットは、濃いルビー色とガーネット色のハイライトがグラスの中から輝く。カステッレット(モンフォルテ・ダルバ産のブドウを使用)は、ブラックチェリー、プラム、鉄鉱石を伴う濃い重心を持っている。このワインは力強く、骨格があり、特にしっかりとしたテクスチャーを持つ。核となる部分は彫りが深く、硬い。セラー熟成がもっと必要なのは間違いないが、このボトルは待つ価値があると思う。
[Monica Larnerの試飲 飲み頃予想2025-2042年]
Mauro Veglio Barolo Castelletto