《ブルゴーニュの2021年》
2021年の4月5日から8日にかけて、フランス全土で記録的な霜害が発生しました。ブドウの発芽以降に夜間の気温が氷点下に下がり、新芽が凍って死んでしまうのです。霜害が起こるとブドウの収穫量が劇的に少なくなります。ブルゴーニュ全域では30-50%の減収と言われています。
ワインはどんな量でもつくれるわけではありません。ブルゴーニュならバリック(一般的な小樽)の大きさは228L。熟成中は樽を満タンにしないと劣化のリスクがあります。「1樽だけ」というのは新樽比率の調整ができないので醸造法が限定されてしまいます。
シャルロパンの畑も1つずつは小さなものが多いので、2021年は通常通りのワインづくりができませんでした。
だから例年なら別々のワインとする畑のブドウを混ぜちゃったのです!
《このワインについて》
この「コート・ドール・テート・ド・キュヴェ」は、シャルロパンが所有するすべての1級畑・特級畑のブドウをブレンドしてつくるワイン。シャンベルタンやクロ・ド・ヴージョ、エシェゾーなどのブドウを混ぜたワインなんて、私は聞いたことがありません。
さすが1級・特級のブドウだけあり、香りの凝縮度は高いです。熟した黒果実・赤果実の複雑なアロマ。アールグレイやオレンジピールのニュアンスもあります。しっかりとした味わいの骨格があり、エレガントな味わいです。
同じような大霜害が起こらない限り、もう2度とつくらない、つくるような事態になってほしくないワインです。コレクターアイテムとしていかがでしょうか。
Bourgogne Rouge Cote d’Or Tete de Cuvee Charlopin Parizot