《素材感で勝負の白ワイン》
1000円台半ばの白ワインであれもこれもは求められません。
どうしても風味のボリューム感に物足りなさを感じるものが多いのが実情。だからこそ赤ワインも白ワインも「手ごろで濃い」ワインが喜ばれる傾向にあります。
価格を下げつつ風味の濃いワインにするため、多くの場合白ワインに樽香を効かせます。樽熟成する場合が多いですが、もっとコストダウンするためにオークチップを使う場合もあります。
原料ブドウの質を上げるというのは、コストに反映されやすく、またマーケティング上わかりにくいためあまりとられる方法ではありません。しかしそこにあえて挑んでいるように感じるのがこのシャルドネです。
《テイスティングノート》
洋ナシやアプリコット、パイナップルのようなよく熟したフルーツの香りをしっかりと感じます。口に含めばボリュームのある果実味が広がり、飲みごたえがあります。一瞬樽熟成しているのかなと疑ったのですが、問い合わせるとステンレスタンク熟成だとのこと。錯覚するほどのボリューム感です。
決してブルゴーニュ的な上品さはありません。1000円台半ばのワインとして卓越した飲みごたえに全振りしている感じです。樽熟成でお化粧をしていない、素材感で勝負している濃厚な白ワインです。
Maravides Atilano Garcia Chardonnay