《生産者について》
ローヌの名門の一つ、ポール・ジャブレ・エネは1834年の設立。ジャブレ家直系の経営のもと発展してきましたが、2000年前後はその勢いに陰りを見せていました。しかし、ボルドーのシャトー・ラ・ラギューンを擁するフレイ家が2006年に取得し、カロリーヌ・フレイ氏が指揮を執るようになり、またその評価を高めています。
手頃なワインも作っていますが、その名声の源はなんといってもエルミタージュのワインです。
《このワインについて》
「ポール・ジャブレ・エネといえば、ラ・シャペル」と言われるほど、ワイナリーの看板商品となるワイン。エルミタージュにある教会に因んだ名前ではありますが、区画の名前というわけではなく、複数の区画をブレンドしてつくられます。
エルミタージュの畑の中でも西側の傾斜のきつい区画からつくられるもので、ワインは若いうちには厳しさをもった長熟タイプのものに仕上がります。
《テイスティングノート》
アニスやブラックオリーブ、ブラックベリー、桑の実、湿った土などの複雑なアロマ。卓越したミネラル感といつまでも続くかのような余韻をもっており、ロースト感とともに消えていきます。まだまだ力強いタンニンが、熟成ポテンシャルを感じさせます。
【パーカーポイント98+点!】
[ワインアドヴォケイト 2022年1月のレビュー]
昨年、私は2019年のエルミタージュ・ラ・シャペルが100点満点に値するかどうか、目まぐるしく推測した。あと10年か20年でその頂点に達することを完全に否定はしないが、このワインが私が考えていたほど良いとは思えない。ローストした肉、モカ、砕いた石、プラム、カシスの刺激的なアロマが鼻をくすぐる。フルボディで凝縮感があり、タンニンが豊富でビロードのような質感。フィニッシュは長く、複雑で、コショウや塩漬け甘草のニュアンスも感じられる。しかし、私がこのワインを楽しみ、このワインが紛れもなく素晴らしいものであるのと同様に、天使は天から歌い上げることはなかった。次のボトルに期待しよう。
[Joe Czerwinskiによる試飲 飲み頃予想2025-2045年]
(2021年5月の評価では98-100点をつけている)
Hermitage La Chapelle Paul Jaboulet Aine