《低価格帯のシャンパン、安い理由》
シャンパンといえば高級スパークリングワインの代名詞であり、その相場は4000円から。2000円台からでも見つかりますが、やはり相応の理由を感じるものが多いです。
多くみられるケースが、ブドウがコート・デ・バール産であること。ランスから遠く離れ、シャブリにも近いコート・デ・バールは、実は土壌が違います。その影響もあり、シャンパンらしい風味がないものが多いです。
また、価格を下げるには原料のブドウ価格を下げるのが一番ですから、味わいに雑味を感じるものが多い。
長期間の瓶内2次発酵も資金回転率を下げるので、規定である15か月に近い数字のものが大半です。
これらの安いシャンパンの特徴に、奇跡的に当てはまらないのが、このルルー・プレコフです。
《生産者について》
1996年創設とまだかなり若い家族経営のシャンパン・メゾン、ジョルジュ・クレメン。そのブランドの一つがルルー・プレコフです。
ブドウはシャンパーニュ地方のどこのものを使っているかは明記はないものの、醸造所はシャンパーニュの中心地モンターニュ・ド・ランスにあります。
《このワインについて》
この価格のシャンパンとしては非常に長いと言える36か月の瓶内2次発酵。その特徴であるブリオッシュやイーストの香りはそれほど感じず、アプリコットや洋ナシなど。香りのボリュームは大きくはありません。しかし泡のきめ細かさは十分。ブドウの質の低さは余韻の短さに現れていますが、味わいは極めてクリーンで雑味を感じません。
シャンパンらしさがしっかり感じられるかは疑問ですが、それ抜きにこの価格のスパークリングワインとして十分満足頂けるでしょう。
Lheureux Plekhof Brut Tradition