《生産者について》
シャトー・デ・ゼサールはフランス南西部、ベルジュラックの生産者。1929年創業で現在のブドウ畑は60haとなかなかの規模です。しかしそのワインづくりは決して工業的ということはなく、オーナー醸造家のパスカル・キュイセは「私の工場は外にある!」と語ります。
その原動力はボルドーのシャトー・シュヴァル・ブランでブドウを食べた経験から。メルローのブドウから「メルローの果実味とブラックチョコレートの風味。なんだこれは!それに比べて自分のブドウは甘いばかりだ」と衝撃を受けたそうです。
オーガニック認証はあえて取得せず、自然環境や人体にも良く効果的な栽培ができるよう常に改善をつづけているといいます。
「スキンコンタクトが味わいの命!」と語り、白ワインも赤ワインも発酵前に果皮浸漬の時間をとります。ゼサールのワインは価格の割に風味が詰まったものが多いですが、その理由のひとつはこの醸造法でしょう。
《このワインについて》
飲んだ人に「ワォ!」と言わせたい。そう願って果皮や種からの成分をしっかり抽出したワインを、新樽を贅沢につかった熟成で仕上げた1本。メルローの豊かな果実味がしっかり現れています。
ヴァニラやナツメグのような香ばしい樽香の奥に、ブラックベリーなどの凝縮した果実香を感じます。口当たりもしっかりと舌に乗っかる密度があり、2000円台としてなかなかないパワフルさ。その味わいは渋味とともにしっかりと長く続きます。
「アダージョ」とは音楽用語で「ゆるやかに」。リラックスしてゆっくりと味わいたいワインです。
L'Adagio des Eyssard Rouge