ワインの選び方

ワインは専門店で買うべき理由とは

2020年5月10日

美味しいワインを飲みたければ、スーパーや量販店で買うのではなく、ワイン専門店で買うべきです。
それは1000円台の手ごろなワインであってもです。
なぜなら品ぞろえが違うからです。
 
 
ワイン専門店とは、当店のようなネット通販のお店街の小さなワインショップ百貨店のワイン売り場も専門店と言ってもいいでしょう。
 
ではどうして品ぞろえが違うのか。
規模の大きさからくる流通の制約も交えながらご紹介してまいります。
 
 

専門店は品ぞろえがどう違うのか

 
専門店の品ぞろえが違う理由。
それは主に取引するインポーターが違うからです。
 
 
海外で作られたワインは、必ず輸入業者を通して日本の小売店に並びます。
ボトルのバックラベルに「輸入者及び取引先」や「輸入者」などとして会社名の記載があります。
「輸入元」や「インポーター」と呼ばれます。
 
 
基本的に酒屋やワインショップは、このインポーターと契約してワインを卸してもらい、それを消費者に販売します。
場合によっては間に仲買卸が入ることもあります。
 
 
スーパーで見かけるワインのインポーターと、専門店に並ぶワインのインポーター。
これが全くとはいいませんが、大部分が違う
だから必然と品ぞろえが異なります。
 
それが同じ予算でワインを選んだ際も、お気に入りのワインに出会える確率が専門店の方が高い理由です。
 
 

「安いから」「状態がいいから」ではない。

 
「ワインが安いから、専門店で買った方がいい」というわけではありません
 
そもそも、専門店すべてが価格競争をしているわけではありません
 
当店のように楽天市場やYahoo!ショッピングなどのモールに出店しているワインショップは、ある程度安いです。
当店は安売りNo.1を目指しているわけではありません。しかしながら、やはりモールでは同一商品は簡単に価格比較されてしまうので、ある程度競争できる価格に設定する必要があります。
 
一方で街のワインショップは、ほとんど定価販売のところが多いです。
それはそのワインショップの商圏に競合するところがなければ、安くする必要がないからです。
 
 
また街のワインショップはある程度人の通りがある立地のいいところに出店しないと、街の人の目に留まりません。
当然家賃が高くなるので、利益を確保しないとやっていけないという事情もあります。
 
百貨店に安さを求めていく人はまずいないですよね。
 
商業施設や駅近の一等地に出店しているワインショップも高い場合が多いです。
ビールや日本酒よりマシとはいえ、ワインはかさばる上にそれほど利益率の高い商材ではありません。
 
なのでそういった地価の高い立地に出店するワインショップは、エノテカさんやヴィノスやまざきさん、ピーロート・ジャパンさん、明治屋さんなど。
どこも利益率の高い自社輸入ワインを取り扱っているお店です。他店への流通がなければ値引きする意味がありません。
 
 
当店の価格は同じワインを比べた際、コンビニや百貨店などに比べると安いでしょう。
しかしそれも、せいぜい1,2割くらいです。多くの場合送料がかかるので、価格的なメリットはほぼありません。
 
スーパーやドンキホーテに代表されるような量販店と比べると、さらに価格差はわずかでしょう。
 
 
ワイン専門店だからといって安い訳ではなく、たとえ安かったとしても大した差ではないのです。
 
 
 
「保管状態がいいから」という憶測を挙げるつもりはありません。
 
もちろん当店はきちんと温度管理のうえワインを保管し発送しております。
ただ、それは専門店として当たり前のことです。「だから美味しい」と言えることではありません。
 
なぜなら、それは「スーパーや量販店の管理がなってない」というのと同じだからです。
私はそのようなお店で働いたことはなく裏側を知りませんので、憶測で批判することなどできないのです。
 
それに、「ワインは高温や温度変化に弱い飲み物」という知識は、徐々に広がってきています。
スーパーのスタッフ一人一人とはいわないまでも、仕入れを考えるような立場の方はまずわかっていることでしょう。
 
 
スーパーには他の食材もたくさんあるのですから、夜間も温度管理されています。
完ぺきとは言わないまでも、そうそうひどい高温に繰り返しさらされるということは、あまりないでしょう。
 
 
正直、私はワインを勉強し始めてからというもの、わざわざスーパーで買ったことはありません。
自身が働く店のものと、同じ銘柄・ヴィンテージを飲み比べるという実験をするのは、何といいますか、気が進まない。。。
 
 
しかしながら話を聞く限りでは、一般消費者の方がそれほど気に掛ける必要はないと考えています。
その味の違いは、別のワインとの味の違いに対しては微々たるものなのですから。
 
 
 

どうしてスーパーにあるワインのインポーターは限られるのか

 
インポーターが違うのはどうしてか。
それはチェーン店の数多くの店舗で常に扱うことのできるワイン。それが自ずと限られるからです。
 
同一のワインが1年を通していつでも安定して手に入る
大手スーパーチェーンなどで棚に並ぶワインには、ともかく生産量が必要なのです。
年に1回だけ入荷して数か月で完売する。そんなワインは扱いにくいからです。
 
 
年間に何百万、何千万本と生産するワイナリーは、輸出先の国のパートナーとしても多くは大企業を選びます。
例えばチリの巨大メーカー「コンチャ・イ・トロ」ならキリンビール傘下のメルシャン。
同じくチリの「サンタ・ヘレナ」社。「アルパカ」というブランドの方が有名でしょうか。日本で扱うのはアサヒビールです。
 
 
美味しいワインを少量作るのには多くの人が成功していますが、それを大量につくるのは不可能に近い。
どんな飲み物も、食べ物もそうかもしれませんが、とかくワインはその傾向が強いのです。
 
それはワインの品質はブドウで決まるから。
そしてブドウはその土地の気候や土壌、栽培法を如実に反映する植物だからです。
質の高いブドウを大量に確保することができないのです。
 
 
また年間何百万本ものワインを生産するには、それだけのワインを売りさばく見込みが必要になります。
そのためには多少は質に妥協してでも価格を抑える必要があります
より幅広い顧客層にアプローチするためです。
 
そのためにも多くの人の目に触れる販売チャネルが求められます
スーパーやコンビニ、ディスカウントショップなどです。
そういうところにツテを持っているとなると、やはりビールメーカーや大手の商社となるのです。
 
 
そういったところの売り場に、小さなインポーターのワインが並ぶことはほぼありません。
しかし中小のインポーターとて、安くて美味しいワインを扱っていないわけではないのです。
 
手ごろな価格ながらも、自分たちの目の届く範囲できちんと管理してワインをつくっている。
東欧などの人件費が安い地域だから、手間暇かけても手ごろな価格で楽しめる。
しかし生産量の問題で大手は扱えない。でもそうでないインポーターなら扱えるものなど。
 
また大手ほどリスクを避ける傾向にあります。
澱がでやすいもの。酒石が出やすいもの。濁りのあるもの。

ワインの底にたまった酒石 Motox様HPより

 
それらはワインにたまに見られる自然の沈殿物で体に害はありませんが、クレームの元と考え避ける傾向にあるのです。
 
そういった意味でも、大手インポーターが「うちは扱わない」と判断するワインはたくさんあるのです。
 
 
逆に小さなワインショップでは、大手インポーターの取引単位が大きすぎて、扱いづらいという事情もあります。
大口の顧客が多いことから、「ワインはケース単位の取引のみで、1配送5ケース以上」というところも多いです。
 
また、「スーパーで売っているものは扱いたくない」という気持ちも否定できません。
 
 
当店ではアサヒビールさん、サントリーワインインターナショナルさん、サッポロビールさん、メルシャンさん、国分さんといったスーパーでよく見かけるインポーターのワインは取り扱っておりません。
モトックスさんや稲葉さん、スマイルさんのワインは、一部スーパーと品ぞろえがかぶっているかも。
しかし取引しているインポーターの大半は、スーパーでは見かけないところです。
 
 
大手スーパーチェーンにワインを卸すことができるのは、そこに販売チャネルをもつ大手インポーターだけ。
大手インポーターと取引して、年中安定してワインを供給するには、大量生産が必要になる。
小規模インポーターでは手が出せないので、大手がやらない小さな生産者とも取引する。
小さな専門店が小さなインポーターから仕入れた少し珍しいワインを扱う。
 
これがスーパーや量販店と、ワインの専門店で品ぞろえが違う理由です。
 
 
 

ワイン専門店としての矜持

 
もちろんそれらは玉石混合です。
その中から数多の試飲を通して価格以上のワインを探し出し、皆様に紹介することが、我々小規模なワインの専門店の存在意義。
使命の一つではないかと考えています。
 
 
もちろん、品ぞろえが違うからと言って、より美味しい理由にはなりません。
それに関しては酒屋として、ソムリエとしての鼻と舌を信じて頂くしかありません。
「おすすめを一度試していただき、がっかりさせてしまったなら、顧客を失うことになる」その覚悟で選んでおります。
 
ただ、その「美味しくなかった」が伝わってこないのが、ネットショップの難しいところ。
反省材料を得づらいのが目下の悩みです。
だから「美味しくなかった!」の意見は大歓迎です。謝ることしかできませんが、ご意見は拝聴して活かしていきます。
 
 
同じような志を持ってワインを選んでいる専門店のソムリエさん、店主さんは全国にたくさんいるはずです。
家の近くにそのようなお店があるなら、他より多少高くてもそこで買うべきです。
情熱をもってワインを紹介しているネットショップは、当店の他にもたくさんあります。
 
当店で買っていただければそりゃうれしいです。
しかしそれよりも、信頼できる専門店からワインを買って楽しむ方が日本に増える
日本のワイン市場がより活性化することこそ、私の願うものです。

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