
スムーズにワインを開けられることは、趣味としてワインを楽しむ大人への第一歩。失敗を防ぐコツと基本の開け方を知れば、初心者でも不安なくほとんどのワインを抜栓できます。この記事では、コルク栓以外のワインも含めて、栓の種類別に初心者向けの開け方を丁寧に解説します。自信を持ってワインを開けられるようになれば、気軽に友人や大切な人を自宅に招き、一緒にワインを楽しむ時間が増えるでしょう。
事前準備:ワインを開ける前に
買ってきたワインさっそく開けよう!ちょっと待ってください。
せっかくのワイン、スムーズに開けて美味しく飲むための準備があります。
今回は要点だけを簡単にご紹介します。
コルクのワインを開けるためのコルク抜き
コルク栓をしてあるワインは、開けて飲むのに道具が必要です。いわゆる「コルク抜き」です。
そのための道具でメジャーなものは3つあります。ウイング式コルクスクリュー、ソムリエナイフ、T字型コルクスクリューです。
この中でT字型コルクスクリューが落とし穴。ゴリラみたいな 鍛え抜かれた腕力がないとコルクが抜けません。か弱い現代人は手を出すべきでないコルク抜きです。たまに「10得ナイフ」みたいなツールについているのがナゾです。
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コルクのワインの大半には、「キャップシール」と呼ばれる瓶口を保護する金属製やナイロン製のフィルムが巻かれています。
ソムリエナイフのほとんどにはホイルカッターがついていて、キャップシールを切ることにも使えます。一方でウイング式コルクスクリューにはホイルカッターの機能がないので、別途用意する必要があります。カッターナイフやハサミでも代用できますが、見た目はキレイではありません。


初めて使う人にとっては、ウイング式コルクスクリューの方が安定して使えるかもしれません。失敗する要素はより少ないように思えます。ただし「素人感」はなんとなくついてまわります。
一方でソムリエナイフをスムーズに使えるようになった方が見栄えはいいです。スムーズな抜栓で「日常的にワインを飲んでいる」印象を当てることができます。あとはそれを見る人に対し、あなたがいかにアピールしたいかどうかです。
当店で扱っているソムリエナイフはこちら▼
左利きの人用にコルクスクリューの向きが反対のものもあります▼
ソムリエナイフはスーパーのワインコーナーやホームセンターなどでも手に入ります。100円ショップにすら置いてあるでしょう。
当店でそれだけを買えばワインと同様の送料がかかってもったいないです。使いやすいソムリエナイフをご紹介していますが、大きな差はないので、ご自身のお近くのお店で入手されることをおすすめします。
ワインを適正温度で開ける
ワインを開けるのは美味しく飲むためです。そのために大事なのは温度管理です。
ワインを最も美味しい状態で飲むための「飲み頃温度」の見極めには、経験が必要です。
なので3000円以下の生産年が古くないワインを飲むと仮定して、大まかな目安温度をご紹介します。
スパークリングワイン | 6~8℃ | 冷蔵庫のよく冷えるところで3時間以上よく冷やして |
白ワイン | 7~10℃ | 冷蔵庫のドアポケットなどそこまで冷えないところでよく冷やして |
赤ワイン | 13~15℃ | 野菜室で冷やして、室温に出して20分(夏季)~30分(冬季) |
ポイントは赤ワインは冷やしすぎない、でも室温ではないという点です。こうすることで果実味の柔らかさと酸の調和を楽しめます。
ワインの飲み頃温度に関してはこちらの記事で詳しく▼
ワインはワイングラスで飲もう
上等なワインをマグカップで飲むなんてもったいない。「ワイングラス」という専用のグラスが存在するには理由があります。特に香りの感じ方は全く異なります。
理想を言うならそのワインのタイプに応じた形状の、飲み口の薄いワイングラスで飲むのがベストです。その理想はなかなか難しいにせよ、手頃なワイングラスを用意するだけでも満足度は大きく変わります。
もしワイングラスを持っていないなら、キャンドゥの一部で手に入る330円のこのグラスがおすすめ。


※執筆時のラインナップ 在庫を保証はできません。
ワイングラスの脚の部分にはちゃんと意味がありますし、脚つきの方が見栄えはいいです。しかしボウル部分の形状は似ている上、収納スペースの点で有利なので、初心者向けにおすすめです。
注ぐ量を容量の3分の1以下にすること。よくスワリングして香りをなじませて飲むことがポイントです。
初心者のワイングラス選びについてはこちらで詳しく▼
栓の種類別5タイプ ワインの開け方の基本
よく見かけるワイン栓の種類を大きく分けると、次の5種類です。
それぞれ基本となる開け方をご紹介します。
コルク栓のワインを開ける方法
ソムリエナイフを使ってコルク栓のワインを開ける方法をご紹介します。
ワインに書かれている生産年が現在から考えて10年以内なら、この開け方でまず問題ありません。生産から20年を超えるような古酒は特別な扱いが必要なことが多いです。
まずは動画での解説。
1.キャップシールを切る
キャップシールは金属素材でできているものも多いです。手を切らないように気を付けましょう。
一部キャップシールのついていないワインもございます。
2.コルクスクリューをねじ込む
このときコルクの真ん中にまっすぐねじ込むことが大切です。
3.コルクを引き上げる
フックを瓶口にかけ、ハンドルを引き上げます。このときフックがズレないよう左手でしっかり持っておくことが大事。てこの原理を利用するので、それほど強い力は必要ありません。コルクが真上に上がるように意識すれば、コルクを折ってしまう失敗も少なくなります。
動画で使っているようなダブルアクション式のソムリエナイフは、真上に力がかかりやすく初心者でも失敗が少ないため安心です。
4.最後は手で抜き取る(できれば)
もう少しでコルクが抜けるところまできたら、最後は手でコルクを持って引き抜きます。
ソムリエナイフで抜き切ってしまってもいいのですが、「ポン」と音が鳴ることもあります。西洋ではカトラリーを使うときも音を立てないのがマナー。最後は手で抜いたほうが所作は美しいでしょう。
5.コルクの臭いを嗅ぐ(一応)
これは現時点では『儀式』だと思ってください。ソムリエは抜栓したら必ず臭いでコルクをチェックします。
天然のコルクには稀にワインの風味をダメにしてしまう欠陥個体が混じっています。その状態不良がないかをチェックするためです。
ただ初心者のうちはそれに気づくことは難しいので、まずは気にしないでください。
6.瓶口を拭きあげる(一応)
注ぐ前に瓶口を布巾やペーパーで軽くふきましょう。製造工程の汚れがついていたり、湿度の高い環境で保管されてカビが生えていることもありえます。
筆者は鉄の胃袋なので自分だけが飲むときはサボりますが、人前ではきちんと拭いてデキる人をアピールしています。
注意:古酒は「開けない」選択肢を
20年、30年前の古酒を開ける方法は本記事では紹介いたしません。
それくらい古いワインのコルクは、多くの場合脆くなっています。ある程度の技術と慣れが必要であり、文字と映像で説明してできるものとは思えません。頂き物などの古いワインを飲む場合は、技術を持ったソムリエさんのいるレストランに持ち込んで飲むことも検討しましょう。
「ワインを持ち込むって?」という方はこちらの記事を参照▼
蝋キャップのワインを開ける方法
コルク栓の一種である蝋キャップ。初めて見る人は「なにこれ!?どうやって開けたらいいの?」となるかも。
キャップシールの代わりにワックスで封がされています。キャップシールより密閉性が高く空気を通さないのがメリットです。
簡単な開け方はこの動画の通り。
蝋の上からブスっとコルクスクリューを刺します。知らなければこれが意外かも?
そこからは普通のコルクと同じなのですが、蝋キャップの中には、ボロボロと崩れやすいものもあります。
動画のワインの蝋キャップはゴムみたいな感触で全然ボロボロ崩れませんでした。なのでこの場合は破片を取り除かずとも抜いてしまってOK。しかしボロボロこぼれるものだとワインの中に入ってしまったりするので、少しコルクを上げた状態で取り除いてしまうのをおすすめします。
見栄え重視の蝋キャップ抜栓
プロの中にはソムリエナイフで蝋キャップを取り除いてから抜栓する方も多いです。その方が美しく見えますし、ボロボロごみが落ちなくてスマート。切りやすくするために、蝋の部分を手でしばらく温めるといいそうです。
ただテクニックはある程度必要ですし、ソムリエナイフもよく切れるものを使う必要があります。動画では「おうちで開けるには」という前提で、誰にでもできる方法を紹介しました。
スクリューキャップのワインを開ける方法
コルクじゃないワイン栓の代表格がスクリューキャップです。
「スクリューキャップに開け方なんてあるの?」
実はちょっとしたコツがあるんです。それはキャップ自体ではなくキャップの下を持つこと。
キャップの部分を持つのではなく、胴体部分を持つ。そしてワインボトルの方を回す。そうするとカリカリっとつなぎ目が離れますので、あとはスムーズにキャップが取れます。
ガラス栓のワインを開ける方法
「ヴィノロック」と呼ばれるガラス栓が使われているワインもたまにあります。
ガラスでできた栓に、隙間を埋めるシリコンゴムがついています。
ガラスなので空気を通さず劣化もしないのがメリット。登場してからそれほど年数がたっておらず、コストも高いのでたまにしか見かけません。


これは単に瓶口にはまっているだけ。日本酒のキャップを思い浮かべてください。
たいていはキャップシールで覆われているのでそれを取り除き、手で引っこ抜くだけ。ソムリエナイフが手元にあるならこのように刃を差し込んで開けると軽い力で開けられます。
コルクのスパークリングワインを開ける方法
スパークリングワインのほとんどもコルクで栓がされていますが、抜栓に道具は必要ありません。
こちらも動画で解説しています。
1.キャップシールを外す
2.ミュズレをゆるめる(このとき利き手と反対の手で頭を押さえる。ミュズレは外さない)
3.コルクの頭をしっかり握り、ななめ45度くらいにボトルを持つ
4.反対の手でボトルの底を持ちゆっくりと回す
5..浮かび上がってくるコルクを抑えながらゆっくりと緩めていく
6.「プシュッ」という音がしたらコルクを抜く
7.5秒ほどボトルをななめのままにしておく
斜めにしておくことが大切なコツで、抜栓時に泡が吹きこぼれることが少なくなります。
静かに開けるのが基本のマナー
シャンパンを開ける時、いい音を出してコルクを飛ばしているの、見たことありませんか?パーティーのような場でそれを楽しんでいるなら、別に問題はありません。
ただし、「抜栓時に音を立てないのが基本のマナー」というのは覚えておくべきです。これは西洋の習慣でしょう。
そのためには勢いよくコルクを抜くのではく、ゆっくり押さえながら緩めること。最後にちょっとだけ漏れる「シュッ」という音は、「天使のため息」なんて呼ばれるといいます。
その他の珍しい栓を開ける方法
他にも珍しい栓をつかったワインがあります。例えば王冠キャップとZORK栓です。
王冠キャップは瓶ビールなどと同じなので、抜栓に困ることはないでしょう。微発泡ワインに使われることが多い印象です。
多くのソムリエナイフには栓抜きもついていて、王冠キャップのワインも開けることができます。


ZORK栓はスパークリングワインに使われるプラスチックのキャップです。再栓可能なのがいいところ。
プラスチック製のキャップが瓶口にヒモ上の樹脂で固定されています。それをクルクルっと外して頭の部分を押せば栓が外れます。
スクリューキャップは3気圧くらいまでのスパークリングワインしか使えないといいます。コルク以外の代替手段として開発されたもので、オーストラリアやニュージーランド産のスパークリングワインにたまに見かけます。
ZORK栓を取り扱っている株式会社アステックエンジニアリングHPはこちら。
古酒の抜栓はもっと経験を積んでから
おそらくこの記事をお読みの方は、ワインを開けたことがない、あるいは失敗経験や不安をお持ちの方ではないでしょうか。
その場合いきなり20年、30年前のワインを開けようとすることはおすすめしません。
30年前にはスクリューキャップという選択肢はほぼありませんでした。ほぼ全てのワインが天然コルクで密閉されています。天然コルクは経年劣化しもろくなります。コルクを引き上げるときに折れてしまったり、ひどいときはスクリューをねじ込もうとするだけで瓶の中に落ちてしまいます。
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1981年のワインのキャップシールをとったところ。よく拭き上げてから抜栓します。 |
1970年のワインのコルク。スポンジのように柔らかくなっていました。 |
このような古酒の抜栓には特別な技術が必要です。
本記事はあくまで初心者向けのものなので、割愛させていただきます。
コルクが折れてしまったときの対処法
抜栓に失敗する例の多くが、コルクが折れてしまうことです。これは天然コルクにおいて力のかけ方がまずい場合に起こり得ます。
この場合の選択肢は二つあります。
一つは破片となったコルクをなんとか抜き取る方法。もう一つは一度ワインの中にコルクを落としてしまい、そののちに救い上げる方法です。
破片を救出するのはテクニック頼り
破片となったコルクを救出するのは、ケースバイケースなので「やり方」として紹介することはできません。個人の器用さによってしまいます。
ソムリエナイフのスクリューでひっかけたりして引き抜きます。


もしそういう状況になり、家にあるなら試していただきたいのが「カニフォーク」」。尖った方でコルクをひっかけられますし、スプーンの方で落ちた破片を救い上げることもできます。大ぶりなものだと瓶口を通らないので、小ぶりなものが使いやすいです。
ワインの中に落ちたコルクを救い上げる
これぞ「転ばぬ先の杖」。落ちてしまったコルクを引き上げるための専用アイテムがあります。
古いワインの劣化してユルユルになったコルクは、一度落としてコルクキャッチャーで引き上げるのも一つの手です。
実はこのコルクキャッチャー。PPバンドで代用することもできます。
「どこのご家庭にもあるもの」とは言いづらいかもしれませんが、憶えておいて損はないはず。
栓の種類を見分ける簡単な方法
「ワインを買ってきたのに、栓抜きがなくて飲めない!」そうなってしまっては残念ですよね。
「飲み物を飲むために道具が要るなんてナンセンス!」ととあるワイン生産者は語っているそうですが、そう簡単には状況は変わらないでしょう。
ならば消費者は、「こういうときは栓抜きが必要、手元にないなら必要ないタイプを選ぶ」ということが大事です。
スパークリングワインは抜栓に道具不要
スパークリングワインの瓶口はボコっとしています。これはガス圧を押し込むためのミュズレを使って栓をしているから。瓶も太く重たいものです。
このタイプの抜栓には基本道具は必要ありません。手で開けられます。


「基本」と申したのは、かなり昔に使われていたタイプの栓を使う生産者がいるからです。当店では取り扱いがありませんが、「アンリ・ジロー」という生産者のワインを買って飲む際にはご注意ください。
キャップシールに覆われていたら道具が必要
スクリューキャップのワインに、さらにフィルムが巻かれていることは基本ありません。
キャップシールに覆われているワインは、そのほとんどがコルク栓です。ごくごく稀に、キャップシールに覆われた王冠キャップのワインというものもあります。
いずれにせよ抜栓にはソムリエナイフのような道具が必要です。
使いやすいソムリエナイフのポイント
コルク栓のワインを飲むなら、ワインオープナーは必要。バレリーナ型(ウイング式)のオープナーやもっと簡単なものもありますが、やっぱりソムリエナイフを使い慣れることをおすすめします。
安く済ませたいなら100円ショップのものやワイナリーロゴの入った協賛品でも抜栓は可能です。でもソムリエナイフならどれも同じわけではありません。
使いやすいソムリエナイフはどんなものか、ご紹介します。
キャップシールの切りやすさ
ソムリエナイフのホイルカッターは、やっぱり刃が長くて鋭い方が切りやすいです。


切れ味だけを求めるなら、「アスロ」というメーカーのダマスカスブレードを装備したソムリエナイフが私の経験上は1番。
ただ、切れ味が良すぎてケガしないか心配ですし、そもそも初心者におすすめできる価格ではありません。


日本クリエイティブより引用
かといって「短い刃の安物だと切れない」なんてことはなく、使い方次第なのでご安心を。
スクリューの長さ
スクリューの部分は長いに越したことはない。高級ワインに差さっている長いコルクをしっかりホールドできます。(コルクの長さは結構バリエーションがあります)
ただ、高級ではない若いワインを開けているうちは、スクリューの長さは関係ありません。
「長い方がいいけど、最初は別に気にすることではない」と考えてください。
とはいえスクリュー部分のコーティングの効果か、高価なものはよりスムーズにコルクに刺さります。高級品なだけのことはあります。
ダブルアクションかシングルアクションか
最初に購入するソムリエナイフは、ダブルアクションのものを断然おすすめします。
動画で使っているソムリエナイフはダブルアクションです。フックを引掛けてコルクを持ち上げるのを2回行います。テコの原理を用いているので、それほど強い力は要りません。
この方がコルクに横方向の力が加わりにくく、失敗しにくいです。


シングルアクションのソムリエナイフで引き抜くときは、スクリューを1回転分くらい残して1度持ち上げ、再びねじ込んでもう一度引き上げるという手順が基本。
文字で説明するとわかりにくいですね。当店の動画ではありませんが、こちらを参考にしてください。
初心者向けQ&A:よくある不安を解消
ここではワインを開ける方法に関するよくある疑問について回答します。
コルクについたカビは大丈夫?
Q:キャップシールをとるとカビがびっしり。これは飲んでも大丈夫?
A:大丈夫です。
ワインは湿度の高い低温な環境で保管するのがいいと言われます。これはコルクが乾燥して縮んでしまわないようにです。そうするとカビが生える可能性がありますが、それはボトルやコルクの表面での話。中身には影響しません。
ボトルをよく拭きあげてからご賞味ください。


ソムリエナイフの価格
Q:100円ショップにすら売っているソムリエナイフ。数万円もする高級品は何が違うの?
A:前提としてどうやって抜栓するかでワインの味は変わりません。なのであとは雰囲気と見栄えと自己満足の世界です。
「シャトー・ラギオール」や「ラギオール・アン・オブラック」などが高級ソムリエナイフの代表格。3万円~5万円ほどと高価です。
一つには耐久値。「一生もの」といえるほど長く使えます。とはいえ安いソムリエナイフもきちんと使えばそう壊れないので、メリットと言えるかどうか。
スクリューのコーティングは結構違いを感じて、コルクにねじ込む際によりスムースに入っていきます。また若干ですがスクリューが長く、コルクをしっかりとホールドできます。
とはいえそれはプロが仕事に使う道具を吟味するときの話。初心者が関心を寄せるのは、優先順位は低くて構いません。
コルクを開けるのが面倒
Q:缶ビールが好きな人間からすると、コルクを開ける作業が面倒。どうにかならないの?
A:個人的には「スクリューキャップのワインでいいんじゃないの?」と思うのですが、ソムリエナイフよりもっと簡単に開ける器具も存在します。
「ラクリス」というワインオープナーです。
なかなかいいお値段しますが、レバーを下げて上げるだけでコルクが抜けます。ホイルカッターもソムリエナイフより速いです。
大阪で最も流行っていると言えるだろうワインバー「赤白」さんで採用されていました。一日何十本、何百本と抜栓するお店で使われているくらいなので、面白くないくらいに手軽です。
コルクの種類3つ
Q:コルクにも種類があるの?
A:ワイン栓につかわれるコルクは、大きく3つに分類できます。天然コルク、合成コルク、圧搾コルクです。
この中で天然コルクが最も多く、最も厄介です。抜栓に失敗して折れることもあれば、コルク由来でワインがダメになる可能性もあるからです。
合成コルクは別名プラスチックコルク。つるっとしていて見た目から普通のコルクとは異なります。
圧搾コルクは天然コルクの破片を接着剤で固めたもの。劣化しにくくコストも安いため採用例が増えています。
このどちらもコルク由来のワイン汚染がありません。そして少々開け方が強引でも、コルクが折れることがありません。ゴリラのような馬鹿力を加えようにも、たいていはソムリエナイフの方が折れます。
ただし合成コルクも圧搾コルクも、登場してせいぜい20年そこそこ。古酒に対する実績がありません。
それもあってかコストを惜しまない高級ワインに関しては、いまだに天然コルクの採用例が多いです。
ワイン栓の種類の比較についてはこちらの記事で▼
ワインを抜栓する楽しさと安心を
ソムリエナイフを用いてコルク栓のワインを開けることは、動画を参考に行えば難しくないはずです。
ただしそれをスムーズに行うには、ある程度の慣れが必要でしょう。器用さも現れます。
たかだかお酒を飲むのに、開ける練習が必要。これって普通ではないですよね。興味がない人からすれば、「なんでそんな面倒くさいもの飲んでいるんだ?」でしょう。



好きだから飲んでいるんです!
そもそも趣味に効率を求めるのはナンセンスではないでしょうか。生活必需品ではなく、嗜好品の世界なのです。無くても死なない代わりに、あれば心を豊かにするんです。
ソムリエナイフを使ってワインを抜栓する時間。昨日よりもスムーズに開けらえるようになった自分。それを含めてワインを楽しむ『余裕』をかみしめてはいかがでしょうか。