《辛口リースリングは熟成すると・・・》
ドイツ産甘口のリースリングの熟成したものは、価格問わずある程度流通しています。しかし熟成辛口リースリングはそう多くない。まして3000円台で楽しめる手ごろなものは希少です。
辛口リースリングは熟成すると、酸味の角がとれてまろやかになり、味わいの重心が低くなるように感じます。上質なリースリングにとって10年程度は「熟成した」と言えないかもしれませんが、それでも若い頃からは変わってきているであろう風味が楽しめます。
《生産者について》
広大な斜面一面に広がるブドウ畑という光景は、ドイツでもこのラインガウだけかもしれません。そこに1650年から続くワイナリーがクヴェアバッハです。
10haという決して大きくない畑は、家族経営の生産者として丁寧な畑仕事を十分に行えるサイズ。通常なら培養酵母を使って2週間から1ヶ月で行う発酵を、自然酵母によって8~15か月もかけて行います。その間もずっとシュール・リーの状態を続けるため、出来上がるワインは驚くほどフレッシュです。
また2000年よりワインを全て王冠のステンレスキャップにしました。ブショネのリスクを避けるとともに、熟成したワインを最高の状態で飲み手に届けるためだといいます。
《テイスティングノート》
生き生きとした柑橘系の香りを覆うように、熟成したリースリング特有の香りが出てきています。リンゴのような果実味はまだまだ爽やかで、はつらつとした酸味があります。
Querbach Riesling Edition