《生産者について》
1853年に設立されたカレスキー。南オーストラリア州きっての銘醸地であるバロッサ・ヴァレー、グリーノックに位置します。
それから約170年間、一貫して無農薬・無肥料でブドウを栽培してきました。「有機栽培」という概念がない時代からです。オーストラリアを代表するプレミアムワインで、ペンフォールズがつくる「グランジ」にブドウ提供してきた栽培家の一つでもあります。
シュナン・ブランやカベルネ・ソーヴィニヨンなど多様な品種を栽培していますが、特に評価が高く樹齢の高い畑を持っているのは、シラーズやグルナッシュなどのローヌ品種です。
カレスキーのワインは、単なる「濃厚」という言葉ではあらわせない、ブドウのパワーのようなものを感じます。
《このワインについて》
カレスキーはこの「モッパ」と少し価格が上の「グリーノック」の2つのシラーズをラインナップしています。その違いは単一畑か否かと、補助品種の有無。「モッパ」は10区画のブドウをつかってつくられ、プティ・ヴェルドとヴィオニエがブレンドされます。最も古い区画になると1961年の植樹で、5000円以下で販売されるワインとしてはかなりの高樹齢といえます。
シラーズの一部はヴィオニエと一緒に混醸されます。ローヌの伝統的な手法で、本来その目的はワインの色合いを安定して濃くすることでした。とはいえバロッサ・ヴァレーでシラーズの色が不十分ということはまずありません。きっとシラーズを濃くしすぎないようにと、香り付けの意図があるのでしょう。
《テイスティングノート》
ブルーベリーやムスク、ミルクチョコレートのような豊かなアロマ。口に含めば芳醇でなめらかな果実味が口いっぱいに広がり、そのパワーと比べると新樽比率25%のオーク樽熟成の風味は目立っては感じません。きめ細やかなタンニンと程よい酸味によってスタイリッシュな味わいの骨格を持っており、決して濃いだけのべったりとしたワインではありません。
Kalleske Moppa Shiraz