《このワインについて》
このワインを口にすればすぐ驚きます。「濃いな~、風味が詰まってる」
特別アルコールが高いわけではなく、糖度も「トロッケン」表記があるとおり9g/L以下。なのに液体の密度は非常に高く感じます。モーゼルとしてはわずかに酸味穏やかでしょうか。
それはおそらくブドウの樹齢によるもの。このワイナリーとしてはスタンダードクラスであるため、いくつかの畑からブドウをブレンドしています。そのどれもが45年以上の古木。さらにそれをグリーンハーベストで収量を絞って、味わいの密度を上げているのです。
レモンやグースベリーのような香り。控えめなミネラル感とともに美しい酸味が広がり、それが舌の上に長くとどまります。一口一口に喜びが伴うようなワインです。
《生産者について》
モーゼル地方、ケステン村にあるパオリンスホーフは、所有畑9haの小さな家族経営のワイナリー。現在のユングリング家がずっと所有していたわけではありませんが、ワイナリー自体の歴史はなんと西暦936年まで遡ることができるといいます。もともとは大学の試験農場だったそうです。
「カビネット」などの表記を常にワンランク上まわる糖度のブドウをつかっているため、風味の緻密なワインがその持ち味です。
Paulinshof Urstuck Riesling Trocken