[ワインアドヴォケイト誌211号 2021年9月の試飲]
2014年、サロンの社長であるディディエ・デポンは、「2008年以降、シャンパーニュには真の意味で偉大なヴィンテージは存在しない」と発言し、サロンの2012年はリリースされないと報道された。しかし、発売されたばかりの「2012 Brut Blanc de Blancs Le Mesnil」を見ると、彼の考えを変えるだけの理由があったことがわる。私の味覚では、2008年に続いて、この千年紀にサロンが生み出した最高のワインだ。柑橘類のオイル、濡れた石、焼きたてのパン、白スグリ、牡蠣の殻の香りがグラスの中に広がり、フルボディで深みと凝縮感があり、果実の芯がしっかりしていて、キビキビした酸とエレガントで繊細な泡がある。同時期の2002年と比べても、よりシャープで、2007年のような痩せたヴィンテージと比べても、より筋の通ったパワフルなサロンであることがわかる。マグナムのみの2008年の価格に躊躇した読者のために、2012年は後者のレベルに遠く及ばない品質ではないため、おそらくより一般的な流通になるだろう。
[William Kelleyによる試飲 飲み頃予想2025-2050年]
Salon Blanc de Blancs