《侮れない南ア産シラー》
シラー/シラーズの産地として2トップは、間違いなくフランスの北ローヌとオーストラリアのバロッサ・ヴァレーです。
そこに次ぐ産地として注目したいのが南アフリカです。価格でいうならカリフォルニアやワシントンのほうが高級品がつくられています。しかし上質なシラーをつくる生産者の層でいえば、南アフリカは決して負けていません!
おそらくトップの評価を受けるのは「ポルセレインベルク」という生産者。スワートランド産に高級品が多いです。バロッサ・シラーズのように熟した明るい果実味がありながら、濃厚さは少し抑えられて上品さがあります。
対してステレンボッシュでは1万円超えの高級品はめったにありません。比べると樽香しっかりでボディ感があるものが多く、飲みごたえがある傾向です。
その中でキアモントの立ち位置は、ステレンボッシュ産でありながら畑の標高が高いことによって、スワートランド産っぽい上品さを持つというものです。
《生産者について》
2003年設立、2007年ファーストヴィンテージとまだ若いブディック・ワイナリー。ステレンボッシュ地区自体は比較的温暖な気候なのですが、キアモントの畑については標高が350~400mの高地にあること。それから、東側にそびえる1000m級の山によって朝日が遮られることもあって、他に比べると冷涼です。結果としてキアモントのワインは、力強さとエレガンスの両方を兼ね備えるのが特徴です。
《テイスティングノート》
赤や紫の花の香りに熟したチェリーのアロマ。白コショウのようなシラーらしさも感じます。「フルボディ」というには適度に軽やかでミディアム寄り。タンニンは非常になめらかで刺激が強すぎない。フレッシュな酸味と上品でクリーンな余韻で締めくくられます。
Keermont Syrah