ニュージーランドのロマネ コンティ
多くのワインラヴァ―を惹きつけてやまないピノ・ノワール。
その最大の産地はもちろんブルゴーニュですが、近年その人気と価格の上昇は留まることを知りません。
「日々のちょっとした贅沢に」という用途ですら、妥協したものを選ばざるを得ない。
そのため次なるピノ・ノワールの産地、「ネクスト・ブルゴーニュ」を探す動きが盛んです。
そこでとり上げたいのが、ニュージーランドの「セントラル・オタゴ」
南島の中でも南端に位置し、非常に涼しく風光明媚な産地です。
中でも注目の生産者が、 「ニュージーランドのロマネ コンティ」の異名をもつ、このリッポン・ヴィンヤード。
醸造家ニック・ミルズ、そしてそのテロワールの魅力に迫ります。
元スキーヤーの醸造家 ニック・ミルズ
現在リッポンのワインメーカーを勤めるのは、設立時のオーナーの息子、ニック・ミルズ氏。
彼はフリースタイル・スキーの選手として21歳の時に国内チャンピオンになったほどの腕前。
怪我がなければ1998年の長野オリンピックに出場していたかもしれません。
彼はブルゴーニュにて、ジャン・ジャック・コンフュロンとドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティで修業しました。
彼のワインは果実味豊かで繊細、そしてシルキーな口当たり。「上質なブルゴーニュのよう」と評されます。
自然なワインづくりをこころがけ、ブドウ栽培にもビオディナミを採用しているのは、修業したドメーヌの影響も大きいのでしょう。
リッポンの素晴らしいテロワール
ニュージーランド南島の西側に、背骨のようにはしるサザンアルプス山脈。
北西方向から海を越えてやってくる風は、サザンアルプス山脈で湿気を落とすため、リッポン・ヴィンヤードに吹き下ろす風は冷たく乾いています。
ワカナ湖を見下ろす北向きの斜面にあり、日照にも恵まれています。
そのブドウ畑は「美しい」の一言。
リッポンのワインには、この美しさがよく表れています。
土壌は火山性土壌が圧力により成形された、シスト土壌と呼ばれる変成岩。ミネラルを豊富に含んでおり、ブドウに適した痩せた土壌です。
同じセントラル・オタゴのワインとしては、フェルトンロードやプロフェッツ・ロックが有名。
ニックに「セントラルオタゴの中で比較したとき、リッポンの特徴・魅力は何か?」と尋ねたところ
他のワイナリーに比べて、リッポンはよりサザンアルプスに近い。
そこから吹き下ろす冷たい風の影響を最も強く受けるんだ。
そのためブドウがゆっくりと熟し、ぎゅっとつまった、緻密なワインができるんだ
ニック・ミルズ
そう語ってくれました。
ピノ・ノワールはもちろん、リースリングやガメイなど秀逸なワインを作っています。
ニュージーランドの美しい景色に思いをはせて、リッポンのワインをお楽しみください。