《ワイナリーについて》
1998年、アメリカ人のマイクとアンのスプラット夫妻はニュージーランドを旅して、1950年代のアメリカを思わせるその雰囲気にすっかり虜となりました。
2000年には友人のすすめでこのワイヘケ島を訪れ、「ここで自分たちが飲むためのワインがつくれたらいいね」とそこへの移住を決意したのです。
一般的にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといったボルドー品種が難しいといわれるワイヘケ島にあって、彼らの6haの畑だけは素晴らしいブドウを生み出しました。
それにはすり鉢状の斜面の畑がうまく作用しているようです。
オーナーのショーンは他業種からの参入にもかかわらず、カリフォルニア大学のUCデイヴィス校やオークランド大学でワインづくりに必要な技術を習得。さらにカリフォルニアの有名ワイナリーオーナー・醸造家との交流が、彼のワインづくりを助けています。
《ワインのコンセプト》
デスティニー・ベイのワインはたったの3種類。『デスティナイ』『ミスティ』『マグナ・プラミア』です。
それらに品質の違いは存在しません。
赤ワインは果皮とともに発酵を行い、その後プレス機にかけます。
自然と流れ出るフリーランジュース、1回目のプレスジュース、2回目のプレスジュース・・・
一般にフリーランが最も味わいに透明感があり、プレスの回数が上がるほど果肉の影響で力強くも雑味を感じるようになります。
なので「フリーランジュースのみを使う」などが売り文句になるのですが、デスティニー・ベイは逆です。
高級品の『マグナ・プラミア』が一番プレスジュースが多いのです。
品種ごと、プレスの回数ごとに別々に熟成。当然、4回目のプレスジュースなどはごく少量です。
ブレンド比率に違いはあるものの、ブドウの質は全く同じでスタイルが違う。そしてプレスジュースの希少さが違うから、それが価格差に反映されています。
実際に『マグナ・プラミア』が間違いなくスケール感が大きく上質なワインに感じるので驚きです。
《テイスティングノート》
ダークチェリーとベリー、花とタイム、チョコレートの香り。豊潤で強い質感を感じ、豊富なタンニンは熟成でよくこなれています。繊細で長い後味は、ボルドーの著名シャトーにも一切劣りません。
生産量710ケース。
Destiny Bay Destinae