《生産者について》
シャトー・ド・フェルはロワール地方のアンジュー地区、ボンヌゾーにある歴史ある生産者。特にその城は文化的な財産であり観光名所。11世紀に建設されたものだといいます。
度々オーナーが移り変わっているものの、常に産地をリードする存在として、地域特性を反映した高品質なワインを何世紀もつくりつづけてきました。
《このワインについて》
「ロゼワインは甘口」というイメージはいまだに一定数の人がお持ちのようです。実際は日本で流通しているものの大多数は辛口なのですが、昔の経験がそうさせるのでしょう。
つまり昔は「ロゼといえば甘口」が広く受け入れられ、たくさん販売されていたということ。私はその時代を知らないのですが、昔から息の長い甘口ロゼというと、サントリーさんが輸入するポルトガルワイン「マテウス・ロゼ」か、この「ロゼ・ダンジュー」ではないでしょうか。こちらはロワールのAOCであり、多くの生産者がつくるワインのタイプ。つまりアンジューの地の特産ワインとして昔から親しまれ飲まれてきた証拠です。
ブドウ品種はカベルネ・フランやグロローなど数種類。残糖が7g/L以上と決まっており、辛口に近いものからハッキリ甘味を感じるものまでありますが、完全な辛口はありません。甘味を感じるのが伝統的なスタイルなのです。
《テイスティングノート》
イチゴやラズベリー、ブルーベリーのようなチャーミングでフルーティーなアロマ。シロップのようにスムースな口当たりで酸味はやや穏やかです。甘味自体はそう強くなく、例えば2020VTで14g/L程度とやや辛口程度なのですが、酸味の低さとフルーティーな香りにより数値よりも芳醇な甘味に感じるでしょう。
Rose d'Anjou la Chapelle Chateau de Fesles