《生産者について》
アルフレッド・グラシアンは主に購入したブドウからシャンパンをつくるNM(ネゴシアン・マニピュラン)です。しかしその味筋は、最近評価の高いRM(レコルタン・マニピュラン 自社畑のみからシャンパンをつくる)のような雰囲気を持ちます。
その大きな理由の一つが、全てのベースワインを樽で発酵させること。樽香をつけることを目的としていないので、シャブリの生産者から5年以上使った樽を購入し、メンテナンスしているといいます。発酵後に6か月間シュール・リーで熟成させますが、マロラクティック発酵はさせず、バトナージュも行いません。なので過剰なコクを感じることもなく、旨みのあるシャープな酸味をもったシャンパンが出来上がります。万人受けを狙ったありきたりの味じゃない。シャンパン好きも思わずうなります。
《このワインについて》
年間生産量25万本以上の、この生産者の看板シャンパン。ソレラシステムで継ぎ足しながら熟成させた40%のヴァン・ド・レゼルヴ(当年以前のベースワイン)を使用します。スタンダードキュヴェながら、瓶内2次発酵期間は4年以上と長く、泡は素晴らしくクリーミーです。
《テイスティングノート》
スイカズラや白い花、洋ナシのような爽やかなアロマ。どっしりとした飲みごたえではなく、軽やかな飲み心地の良さを求めたタイプ。クリーミーな泡とともに広がる香ばしさに似た複雑な風味が、樽熟成の効果なのでしょうか。
Alfred Gratien Brut