《ワイナリーについて》
1973年カナダ生まれの青年パトリック・ピウズ氏。M.シャプティエの弟マーク・シャプティエ氏との出会いがきっかけでワインの世界へと飛び込みます。
オリヴィエ・ルフレーヴに4年在籍中にシャブリ部門の醸造を担当。その後、ヴェルジェやジャン・マルク・ブロカールで醸造長を歴任し、2008年に自らのワイナリーを立ち上げました。畑は持たず、賃貸契約で自ら栽培。ブドウ栽培農家との絆も強く、結果クオリティの高いブドウを得ることができています。
特徴となるのがワインの種類の多さ。その多くは日本未入荷ですが、例えば2019年はワインアドヴォケイト誌に27ものワインが評価されています。畑を所有しているわけではなく、それぞれのワインの生産量はごくわずか。それでも畑ごとのテロワールを表現する力があるので、他の生産者では混ぜて1つのワインとするところを、数多くのワインをつくり分けているのです。
数も少なくとりわけ知名度の高いシャブリではありません。しかし一度口にすればブルゴーニュワインの愛好家ほど心を奪われるようです。簡単に手に入らなくなるときは遠くないかもしれません。
《2021年ヴィンテージについて》
春先の大霜害により生産量が激減した2021年。特に白ワインの影響が大きく、2019年ヴィンテージまでに比べて日本への輸入が極端に減ったワインも少なくありません。
そのほかも栽培上で様々な困難のあった年でした。しかし冷涼で美しい酸味が表現されている年であることは間違いなく、ブルゴーニュワインに上品さを求める人にとっては、探し求める価値があるヴィンテージと言えるでしょう。
《テイスティングノート》
オレンジピール、レモンのアロマ。アタックからボディを感じる果実のフレーバーがしっかりと存在しています。焦点の定まった緊張感のある酸とともに見事な余韻を迎えます。
Chablis Grand Cru Les Preuses Patrick Piuze