《4000円台ナパカベの中で》
ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンといってもいろいろなスタイルでつくられています。しかし値段をエントリークラスの4000円台に絞るなら、典型的な味わいから外れるものはそうそうありません。
ブラックベリーやプルーンといったよく熟した黒系ベリーのアロマに、樽熟成に由来するヴァニラやコーヒーの香り。凝縮度のある果実味とあまり目立たないタンニンに、相対的に穏やかに感じる酸味。おおよそこのような味わいのものが多いはずです。
その平均的な味わいと比較するなら、この「エクスペリエンス」は上品さが際立ちます。果実や樽の甘濃い風味はやや控えめで、程よくキレのいい酸味が味わいを支えており、それに伴って渋味も強めです。ナパ・カベでも1万円以上となるとこういったバランスのものが多くなるのですが、4000円台では珍しい。決して「もっと高い味のするワイン」というわけではありませんが、食事をより引き立てる1本として価値があります。
《生産者について》
ソノマ出身の夫トラヴィスと、イギリス出身の妻キャサリンがニュージーランドで出会ったことで始まったワイナリー。2009年にファーストヴィンテージをつくり、その後3haの自社畑を購入します。2人のたくさんの『経験』をもとにしたワインづくりが、ナパヴァレーらしさが上品に表現されたこのワインをつくっています。
《テイスティングノート》
カシスやブラックベリー、ブラックチェリーのような果実香と樽熟成による香ばしさがグ足すからあふれ出します。ココアパウダーやココナッツ、ヴァニラなどの香りが複雑味をそえています。濃厚ながら滑らかな口当たりとフレッシュで生き生きとした酸味が、味わいを立体的なものに印象付けます。
Experience Cabernet Sauvignon Napa Valley