《近年の値上がりに取り残されている?》
ケンウッド・ヴィンヤードは随分前にも日本市場に紹介されていました。しかし音響機器のケンウッドに名称で訴えられて、一度は販売休止。近年また輸入されることになったということは、その問題をクリアできたということでしょう。
しばらく輸入されていなかった期間に、多くのワインは大きく値段を上げました。その最大の原因が円安なので、影響は世界中のワインについて。ナパ・ヴァレー産のカベルネ・ソーヴィニヨンで4000円以下にて楽しめる銘柄はどんどん少なくなっています。
一方でケンウッドはなぜか昔と価格あまり変わらず。コストパフォーマンスが相対的に高くなってきました。
ナパの凝縮感が好きだけど、5000円弱は出し続けられない。そんな方の救世主です。
《生産者について》
ソノマ・ヴァレーの北側に「ケンウッド地区」というものがあり、その地を語源として1970年に設立されました。特に「ジャック・ロンドン・ランチ」という単一畑に誇りを持っており、小ロットの醸造によってこの地の特徴をあますところなく表現しています。
ソノマ・マウンテンは広いソノマ・カウンティの中で、ナパとソノマを隔てるマヤカマス山脈近く、比較的南寄りにあります。「ソノマだから冷涼」とは決して言えませんが、ナパ・ヴァレーに比べたら海への近さから確かに冷涼。ブドウはしっかりと熟しながらも、その味わいを支える酸味と味わいの骨格があるのが特徴です。
《テイスティングノート》
カシスやアメリカンチェリーのような熟したベリーの香りに、シナモンのような深みのある香り。アールグレイやミントのニュアンスも感じます。少しだけヴィンテージが古めなためか、口当たりはまろやかで角のとれたタンニンを感じます。飲みごたえがありながらもバランス感に優れたワインです。
Jack London Sonoma Mountain Cabernet Sauvignon Kenwood Estate