《このワインを選んだ理由》
「濃い味の白ワイン」に魅力を感じるかは好みこそあれ、長所の一つであるのは間違いない。密度の高いフルーツの風味と低めの酸味によって、まったり舌の上にとどまるような味わいは、特に寒い季節に心地よく感じます。
ただ一般に低価格帯ほど見つけづらいのは確かです。1000円台半ばで比べるなら、まず思い浮かぶのはカリフォルニアやチリの樽熟成したシャルドネでしょう。それでも大量生産ゆえのわざとらしさを感じることも多いです。
スペインの土着品種ヴェルデホでつくるこのワインは、ステンレス発酵・熟成なのに非常に濃厚。酸味は低いというほどではないのですが、トロピカルフルーツのような風味が力強いので、あまり目立って感じません。それでいて味わいはクリア感のある整った雰囲気なのが優秀。
カジュアルな価格なのに際立った濃厚さ。晩酌ワインとして楽しむなら他との違いが際立って楽しい。カジュアルなレストランのグラスワインとして出てきても「おっ!」と感じます。
《生産者について》
デ・アンドレス・シスターズは、姉のルートと妹のアナの姉妹が展開するブランド。自社畑からつくるのではなく、スペイン各地を訪ね歩いて見つけた優れた土着品種の畑から、個性の光るワインをつくります。
彼女らはこう語ります。
「私たちはスペインの個性あふれるワインを造っています。その土地ならではの特徴を尊重し、その価値を人々に伝えたいと考えています。各地を訪れ、その土地について学び、比較し、生産者とじっくりと話をします。生産者だけでなく、様々な人々の意見を大切にしています。消費者の皆様の声に耳をかたむけ、ワイン業界の経験豊富な人々の意見を聞き、また新規参入する人々とも話をします。これが私たちのワイン造りに結び付いています」
「オバヤ」は手頃な価格で楽しめてどのようなシチュエーションにも合わせられる守備範囲の広いワインを目指しています。
Obaya Blanco Verdejo