《生産者について》
モーゼル地方の著名な畑の一つ、「ユルツィガー・ヴュルツガルテン」。その畑を専門にするといっていい生産者がカール・エルベス。5.9haを所有しています。
ここが銘醸畑とされる理由の一つは斜度。南東向きの急斜面はもはや崖のようで、農作業は非常に困難ですがブドウは非常によく熟します。もう一つは赤色粘板岩土壌。青や灰色の粘板岩はモーゼルに広く見られますが、この畑の赤い土壌はなかなかありません。その土壌ゆえに香りが華やかなリースリングができあがり、それがそのまま生産者の特徴となっています。
カール・エルベスのワインはモーゼルの生産者の中で比較したとき、酸味がやや丸く穏やか。香りが比較的派手で豊かに広がります。そしてこの銘醸畑のワインとして圧倒的に安い!
《このワインについて》
「ファインヘルプ」とは「洗練された辛口」という意味で、味わいとしては「ハルプトロッケン」と同じ半辛口を指します。明確な糖度の範囲は決まっていないのですが、このワインは2019年ヴィンテージの値で26g/L。よく冷やしてもほのかな甘みを感じます。ただ酸味もしっかりあるため後口スッキリ。10.5%の低いアルコールと合わせて、口当たり軽くスルスル飲めてしまいます。「甘酸っぱくて飲みやすいワイン」と言えるでしょう。
「甘い」と書かれているワインをとかく敬遠される方もいらっしゃいます。でもこのワイン、試飲販売すれば爆発的に売れるそうです。一口目から直観的に「美味しさ」を訴えかけてくるのでしょう。
Urziger Wurzgarten Riesling feinherb Karl Erbes