《広まる産地変更の流れ》
ナパ・ヴァレー産カベルネ・ソーヴィニヨンの最低価格帯ワインとして、「アナベラ」ブランドは愛され続けてきました。
しかし近年の物価高を受けて、もともと3000円近辺だった市場価格も4000円台半ばへとジャンプアップしてしまいました。それを受けてラインナップに加わったのが、「アレキサンダー・ヴァレー」のカベルネです。
この流れは他にもいくつかの銘柄でみられます。リーズナブルであることをアピールして販売してきたワインにとって、大幅な値上がりはターゲットが変わってしまいブランドとして致命的。ナパ以外の産地のブドウを使うことで、値上げを防ぐか最小限にとどめる動きです。その代替産地として多いのが、このアレキサンダー・ヴァレーとパソ・ロブレスです。
《産地について》
アレキサンダー・ヴァレーはナパ・ヴァレーからマヤカマス山脈を挟んで西側。ソノマ・カウンティ内の内陸部です。
山一つ分海よりなだけあり、気候を比較するならアレキサンダー・ヴァレーの方が少し冷涼。やや高い酸味と渋味を感じるというのが教科書的な違いです。ただ、アナベラのシリーズは親しみやすく豊かな果実味とリッチな樽香がアピールポイント。そう大きな違いは感じません。
《テイスティングノート》
ブラックベリーや大粒のベリー系フルーツの熟した果実香。チョコレートのような甘く香ばしいアロマも感じます。熟したフルーツを想わせる甘やかな果実味が広がり、コーヒーやシナモンのような風味が鼻を抜けていきます。口当たりの滑らかさはナパ・ヴァレーのころと変わらず。マイケル・ポーザン・ワインズらしい、ワイン通じゃなくて一般消費者に好かれそうな味づくりです。
Anabella Cabernet Sauvignon Alexander Valley