《ファインヘルプだからイイ!》
この美味しさをわかるのは、ドイツワインファンの特権です。
辛口を意味する「トロッケン」よりも少し甘味のある、『高貴な甘口』を意味する「ファインヘルプ」。
例えばニュージーランドやニューヨークにも半辛口のリースリングはつくられています。しかしそのほとんどは低価格品。ワイン単体での飲み心地の良さを追求した、普段飲みワインです。高価に販売することを目指して高品質につくっているものはそうそうありません。
ほんのりとした甘味とスッキリとした酸味のバランスがいいワインなら、世界中どこでもつくれます。そこにスレート土壌に由来するであろうミネラルの深みをしっかり味わえるのは、ドイツならではと言えるのではないでしょうか。
《生産者について》
ドイツきっての銘醸地ラインガウにて、辛口ワインをつくることに命を懸けるゲオルク・ブロイヤー。
ワインづくりにおいてはアルコール度数にはかなり気を使っており、多くが12%以下。繊細で素晴らしく引き締まった味わい。口当たりにアルコールの重さはないのに、時に「フルボディ」と表したくなるような風味のち密さと存在感があります。
辛口リースリングの生産者としてはドイツトップクラス、トップといっていいほどの評価を受けており、アメリカ市場で特に人気。その人気は過熱しており、それに伴ってかなりのペースで毎年価格が上昇しています。
《このワインについて》
ロルヒ村の畑はブロイヤーが2019年に購入したもの。本拠地リューデスハイム村よりも下流で、ミッテルラインの対岸にあります。畑は南西向きの斜面で、午前中は涼しく午後は暖かい日差しを浴びてブドウがよく熟します。残糖19.6g/Lの酸度7.7g/Lなので、ほのかな甘みにブロイヤーとしてはやさし目の酸味というバランス。
「ブロイヤーといえば辛口リースリング」というイメージで、半辛口が入荷したのは私が知る限り初めて。現地の試飲でも大絶賛だったこの1本をお見逃しなく。
Estate Lorch Riesling Feinherb Georg Breuer