《生産者について》
アルザスはフランスの中で、それほどコストパフォーマンスの高い産地とは言えません。ワインの価格は全体的にやや高め。飲んだことのないワインを購入するには、少し勇気の必要な産地でしょう。
冒険する余裕はない、失敗したくないワイン選びなら、いわゆる「名門」と呼ばれる歴史ある生産者のワインを選ぶのが確実です。アルザスにおいてまず名前が挙がるのがこの「トリンバック」。1626年創業というのですから、およそ4世紀、13世代にわたって家族経営でワインをつくってきました。
特にトップキュヴェの「クロ・サン・テューヌ」は、アルザス最高のワインとして名前が挙がります。
《このワインの活かし方》
ゲヴュルツトラミネールはアルコール度数が高くなりやすい品種で、このワインも14.5%と白ワインとしては高め。アロマティック品種の代表格だけあり、一口目から訴えかけてくるパワーがあります。
ゆえに一人ないし二人で飲む普段飲みよりは、4~5人で楽しむ自宅パーティーがおすすめ。スパークリングで乾杯してからの3本目や4本目、赤ワインとのつなぎに提供すれば、それまでの白ワインとガラっと雰囲気を変えてくれます。
アルザスのゲヴュルツトラミネールとしてはかなりドライな味わいなので、上級者の方にも「おやっ!」と楽しんでもらえるでしょう。
《テイスティングノート》
この品種はライチのような甘い香りで有名ですが、このワインに関してはやや控えめ。それよりバラのような花の香りやスパイス香が支配的です。「フルボディ」と言えるような果実の凝縮感がありパワフル。やや辛口に仕上げられるものが多い中で、このワインはほぼ残糖を感じない辛口です。程よい酸味とともに余韻は長く続きます。
Gewurztraminer Trimbach