《カンプタールについて》
オーストリアの北部ニーダーエスタライヒ。そこではグリューナー・フェルトリーナーの高級産地である「ヴァッハウ」が有名ですが、そのすぐ北東に隣接している「カンプタール」も忘れてはなりません。
ドナウ川に沿って南向き斜面に畑が開かれてきたヴァッハウに対し、南北に走るカンプ川の渓谷出口付近に広がるのがカンプタールです。ヴァッハウのような南側急斜面もありますが、緩斜面もあれば東西に向いた斜面もあり、より多様性に富んだ地区と言えるでしょう。
産地区分としては別なものの、歴史的にはヴァッハウの一部とみなされていた時期もあるそう。なので生産者として「ヴァッハウとカンプタールの違いは・・・」という考え方はあまりないそうです。
《生産者について》
「ワインは、土壌、暑さと寒さ、嵐と雨、風景、そして最初から関わった人々についてすべてを語る。」
その信念のもと、ワインの品質向上に対して非常に研究熱心なのが、当主ヴィリー・ブリュンデルマイヤー氏です。
若いころはフランスで修業を重ね最新の醸造技術を学びます。「リラ方式」という枝を高くに伸ばす仕立て方を採用し、光合成を促すことで凝縮感のあるボディのしっかりとしたワインをつくっています。
この地域の大御所生産者でありラインナップは非常に多様。手頃なワインは多くありませんが、どれも価格以上の価値を感じさせます。これは現地の専門誌も認めており、ファルスタッフ誌の生産者評価では最高位の5つ星を獲得しています。
《このワインについて》
ブリュンデルマイヤーにとってスタンダードクラス、つまり入り口となるグリューナー・フェルトリーナーです。斜面上部に位置する花崗岩や粘板岩土壌の畑からは、上質な酸味とミネラル感、梨のような風味が。斜面下部に位置する黄土(レス)土壌の畑からはボディ感が表現されているといいます。
柑橘や黄色いリンゴ、花の蜜のようなアロマ。ほのかに白コショウ。適度な凝縮感とやや高めの酸味があり、軽快に舌の上を流れていきます。
Gruner Veltliner Kamptal Terrassen Kamptal DAC Brundlmayer