《生産者について》
「ハンターズ・リッジ」のブランドを展開するのは「Bronco」社。100以上のブランドのワインを手掛けており、このカベルネもその一環です。
このワインの特筆すべきところは、ナパ・ヴァレー産カベルネ・ソーヴィニヨンとしてまあまあ安い価格にして、オーク・ノールのブドウを使っているところです。
《旨安ナパ・カベの傾向》
4000~5000円程度のカベルネと、5万円~10万円クラスのカベルネを比べると、同じナパヴァレーなのに酸味の質が大きく異なることがよくあります。その原因の大きなものは、土壌と地形の性質だと考えられます。
ナパ・ヴァレーはマヤカマス山脈とヴァカ山脈という2つ山脈に挟まれています。長年の雨風によって山が削られ風化したものが土壌となります。石ころや砂利は遠くまでは運ばれず、山麓部に沈殿します。細かい土や粘土は水に乗って遠くまで運ばれ、谷床平野を形成します。細かい土が厚く積もった平野は、栄養素も貯水性も豊かでブドウの生産量が上がります。朝日や夕日があまり山脈の陰にならないので、日照時間が長くなりブドウがよく熟します。味わいとしてフレンドリーさはありますが、上品な酸味には欠けがちです。
それゆえ比較的安い価格のナパ・カベには、この谷底平野のブドウが多く使われていると考えられます。
《このワインについて》
オークノールの特徴は、海から近いナパ・ヴァレー南部にあることです。冷たい風が朝晩霧を運んでくることで、日照が遮られて涼しいのです。
このワインはオークノールのブドウを主体としてつかっており、味わいの上品さにその特徴が現れています。果実感が決して厚ぼったくならず、黒系果実の風味を中心に、明るい赤系ベリーの風味、それからタバコなどの香ばしさ。この価格帯に似合わぬエレガンスがこのワインを特徴づけます。
Hunters Ridge Napa Valley Cabernet Sauvignon