《生産者について》
自身のシャンパンが持つ特徴を一言で表現するなら「Salinite(塩気)」。JLヴェルニョンのクリストフ・コンスタンはそう語ります。
ワイナリーが畑を所有するのは、コート・デ・ブランにあるグラン・クリュの村である「メニル」が中心。一般にメニルのシャルドネは鋭く厳しい酸と硬いミネラル感を持ちます。だからこそ飲み頃を迎えるまで時間が必要です。マロラクティック発酵により酸をやわらかくする生産者が主流のなかで、あえてそれを行わずメニルの個性を前面に出した味づくりをします。
シャープな酸味と塩味にも似たミネラル感が彼の持ち味で、ワインアドヴォケイト誌などでも高く評価されています。
《このワインについて》
メニルにある畑の区画名から名づけられた「オート・モット」。
砂糖をまぶした柑橘類やベルガモット、生姜などのフレッシュなアロマ。鋭い酸味はスケール感のあるボディとバランスをとっており、僅かに感じるオークのニュアンスと塩味のようなミネラル、ほのかな苦味がワインに複雑味を与えています。
日本は高級シャンパンの消費地として世界的に重要なポジションを獲得していますが、そのうちナイトマーケットの占める割合が少なくありません。だからこそ高級シャンパンがたくさん輸入されるのだとしても、売上の誇示にボトルが並べられているのを見て、面白くないシャンパンファンも多いはず。
そういった世界とは、この「オート・モット」は世界を別にするシャンパンです。決して万人受けする味わいではありません。シャンパーニュのテロワールを知って飲む方にこそ味わってほしい、真剣にワインに向かい合う人を満足させるための1本です。
Jean Louis Vergnon Hautes Mottes