《生産者について》
ジャン・トプノとドゥニーズ・メルムが1963年の結婚を機に始めたのが、このドメーヌ・トプノ・メルム。双方ともに先祖からの畑を継承しており、コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌに合計13haの畑を所有しています。中でもモレ・サン・ドニ周辺が優秀な印象。
「テロワールを重視し、複雑でピュアな味わいを追求」といううたい文句は極めてありきたり。しかしトプノ・メルムの美味しさを言葉にするなら、どうしてもこの定番文句になってしまうんです。
それほど抽出は強くなくて、オーク樽の風味も控えめ。畑にもよりますがリリースしたてのヴィンテージからでもそれほど硬くなく、しなやかな口当たりなのが魅力です。
《テイスティングノート》
トプノ・メルムが4か所所有する特級畑のうちのひとつ。比較的若く楽しめる生産者とはいえ、さすがに5年以上は寝かせたいところです。
たまに並行のバックヴィンテージが出回る生産者ではありますが、近年になって美味しくなったと評価する人もいます。下位キュヴェを飲んで気に入った方は確保しておいて後悔はないでしょう。
《2019年ヴィンテージの概要》
2019年はチャレンジの多い年だったと生産者は語ります。5月は乾燥していましたが6月に気温が下がり、開花が一部遅れました。結実不良(ミルランダージュ)が多く発生し、収穫量は減ってしまいましたが、夏は暑く乾燥してブドウは健全によく熟しました。結実不良を起こした実がしっかり酸味を保ったため、凝縮感が高くパワフルで、それでいてエレガントで美しい活力を備えたヴィンテージだといいます。
Mazoyeres Chambertin Grand Cru Taupenot Merme