《この産地について》
オーストリアの最南端、スロベニアとの国境近くに、「ヴェストシュタイヤーマルク」という産地があります。
ここは世界にそう多くない、ロゼワインに特化した産地。フランスのプロヴァンス地方の方がずっと有名ではありますが、プロヴァンスのロゼは温暖な気候の元つくられるややぽってりとしたロゼワイン。それに対しヴェストシュタイヤーマルクは、『世界一酸っぱいロゼワイン』として有名です。その名も「シルヒャー」。
畑の面積は600ha弱しかない小さな産地。そのうち約500haは、「ブラウアーヴィルトバッハー」というシルヒャーのための黒ブドウが栽培されています。
《生産者について》
この地で1700年代から続く伝統的なワイナリー、「ラングマン」。シルヒャーを愛し、その味わいを世界に発信することを指名するシュテファン・ラングマンさんが現当主を務めます。この地で最大規模の生産者です。
《このワインについて》
「ホッホグレイル」はラングマン醸造所のフラッグシップとなる畑。最大斜度60度になる南向き急斜面の畑は、しっかりと日光を浴びることができ、ブドウの熟度が上がります。2019年の「クラシック」と比較したとき、酸度はほぼ変わらないものの、アルコールがこちらの方が高く13.3%(2020年)あります。これがボディ感につながっており、筋肉質で引き締まった印象のロゼワインが出来上がります。樹齢40年をこえる古い樹が残っており、それがワインの味わいに奥行きを与えています。
《テイスティングノート》
リンゴ飴やクランベリーの凝縮感のある果実味。香りから既に「クラシック」とは全く別物です。タイトなボディ感とシャープな酸味。明るく朗らかな雰囲気とは真逆の、緊張感のあるロゼワインです。
Langmann Schilcher Hochgrail