《このワインについて》
分類としては白ワインですが、ほのかに渋みを感じるのと果皮由来の風味が強いという点で個性的。
その理由は製法にあります。収穫したブドウを破砕して約48時間のスキンコンタクト。この間に果皮から成分が抽出されてワインにタンニンと風味を加えますが、発酵が始まる前ですので抽出されるタンニンはごくわずかです。
その後やさしくプレスしてステンレスタンクで発酵・熟成して瓶詰されます。
4年ほど前に仕入れた段階では、「知る人ぞ知る」といった立ち位置で、決して人気ワインじゃなかったはずです。しかし今や、秋ごろの入荷時にたくさん確保しなければならず、それでもすぐに売り切れるワインとなりました。採用したバイヤーがビックリしています。
《テイスティングノート》
洋ナシや青りんごなどに加えて、グレープフルーツや柑橘類の皮など、酸味に加えて苦みを感じさせるようなフルーツの香り。うま味がありながらもクリーンで美しい酸味を持ち、余韻にほのかな渋みを感じます。このわずかな渋みゆえにフードペアリングが面白い。赤ワインでも白ワインでもなかなかうまくいかない料理に対してピッタリはまることがあります。
《生産者について》
「イタリアの最も美しい村」と言われるウンブリア州のモンテファルコ。その近くにカンティーナ・ライナはあります。ファブリッツィオ・マリアニ氏が2002年に家屋と12haの土地を購入して設立しました。そのうち10haをブドウ畑としています。現在は元料理人の息子フランチェスコ氏と2人で営んでいます。
栽培は原則としてビオディナミを実践。いわゆる"自然派"のワインづくりではありますが、それによって味が濁ることがなく、ブドウの個性を楽しめるワインを目指しています。
Grechetto Umbria IGT Cantina Raina