《リースリングの「ぺトロール香」について》
かつて「ぺトロール香」がリースリングでつくる白ワインの特徴と考えられていた時代がありました。ぺトロール香とは石油やガソリンに似た香りのことで、ブドウに含まれるとある成分が分解されて生じます。多くのブドウ品種に含まれますが特にリースリングに多く含まれます。
ぺトロール香の生成には日照が強く影響します。ヨーロッパのリースリング産地に比べオーストラリアは緯度が低いため、より強い太陽光を浴びます。それゆえオーストラリアのリースリングにぺトロール香を感じるのは普通。
ヨーロッパで強いぺトロール香は欠陥とみなされますが、オーストラリアでは香りの複雑性と判断されます。香りの性質の違いとして比較してみると、よりワインを深く知ることができるでしょう。
《生産者について》
ベスツワインズがあるグレートウエスタンという産地は、ヴィクトリア州の州都メルボルンから西へ200km少々いったところにあります。1866年設立と、オーストラリアでは非常に歴史のあるワイナリーです。
ワインメーカーはジャスティン・パーサーが務めます。彼はアデレード大学を卒業後、南オーストラリア、ニュージーランド、ピエモンテ、ブルゴーニュで修業を積み、ベスツに来ました。
《テイスティングノート》
際立って冷涼な地区というわけではありませんが、早摘みによって糖度を調整し、リースリングらしい繊細さを表現しています。
ライムやグァバ、ジャスミンなどの上品なアロマに、先述のぺトロール香。軽やかながらしっかり風味の詰まった口当たりで、この品種らしい爽やかさで締めくくられます。
Best's wines Great Western Riesling