《生産者について》
ジョン・シェーファーがナパ・ヴァレーで「シェーファー・ヴィンヤーズ」を拓いたのは1973年。元々はシカゴのビジネスマンであり、栽培や醸造の知識など何もありませんでした。ワインメイキングの本を片っ端から読み漁り試行錯誤。後に醸造学を学んだ長男のダグ・シェーファー、敏腕醸造家のイライアス・フェルナンデスが加わり、その品質は安定したものとなりました。
シェーファーの畑は、スタッグ・スリープ・ディストリクトの山の斜面にあります。購入当時は、平地よりも山の畑の方が安かったという懐事情もありますが、この山カベの味わいが今シェーファーを特徴づけるポイントの一つです。
《このワインについて》
メルロー比率が高く、年によってはカベルネよりも多く使われるボルドー・ブレンド「TD-9」。その名前の由来は、創業者ジョンが乗り回していた旧式のトラクターだといいます。
カシスやプラムのジャムのような濃厚な果実味に、モカやトリュフなどの魅惑的なアロマが混ざります。ボリューム感をしっかり感じるフルボディのワインで、香ばしさが長く続く余韻。
ブドウ品種や細かなリージョンがどうのこうのというより、「ナパ・ヴァレーの赤ワイン」という漠然としたものを1本のボトルに閉じ込めたようなワインです。
Shafer TD-9 Napa Valley