《ナパ・ヴァレーのメルロー》
ナパ・ヴァレーはやはりカベルネ・ソーヴィニヨンの聖地であり、メルローが主役を張る機会は多くありません。ブレンド用に栽培されているだけだったり、カベルネをつくる生産者がラインナップとしてメルロー"も"つくっている。そんなケースの方が圧倒的に多いです。
しかしメルローは決してカベルネの下位互換ではありません。
〇タンニンの穏やかさ
〇口当たりのしなやかさ
〇値ごろ感
「メルローの方がよりお客様に紹介したい」、総合的にそう考えて、当店ではメルローのみをラインナップしている生産者が「ホール」です。
《生産者について》
2003年、キャサリン・ホールと夫クレッグが、ナパ・ヴァレーのセントヘレナにあるワイナリーを購入してスタート。キャサリンは「上質なワインと芸術品・アートな建物が融合する場所をつくりたい」と常々考えており、その夢が現実となったのがこのワイナリーです。
ラベルにも描かれている豊穣多産・繁栄のシンボルとしてのウサギ。ワイナリーの入り口にはその大きなオブジェクトがあり訪問客を迎えます。芸術的なテイスティングルームは、日々多くの観光客を迎えています。
自社畑としては150haを所有し、すべて「CCOF」というオーガニック認証を受けています。それに購入したブドウも使いながらワインをつくります。
《テイスティングノート》
熟したチェリーの重量感のあるアロマが漂い、そこにバラのような華やかさとベイキングスパイスの複雑さが加わります。口に含むとしっかり厚みのある果実味が広がり、密度のあるタンニンが刺激しますがきめ細かく、不快ではありません。余韻には鉛筆の芯のようなニュアンスを感じます。
品種特性として酸味が高くタンニンの多いカベルネ・ソーヴィニヨンではなかなか表現しづらい、濃密な質感と口当たりのしなやかさ。昔に比べればずいぶん値上がりしてしまいましたが、それでも「ホールのメルローが好き!」とリピートされる方が多いのもうなづけます。
Hall Merlot Napa Valley