《生産者について》
フォン・ウィニングが居を構えるファルツ。ドイツで2番目に広く畑があり、そして一番多くリースリングを栽培している産地です。
ただし最高品質ではありません。ラインガウやモーゼルのような南向きの急斜面に広がるスレート土壌の畑というものはファルツにはなく、石灰質や砂岩、玄武岩などの土壌。
質より量のワインも多く作られてはいますが、このフォン・ウィニング醸造所の品質追及は別格です。
ワイナリーの歴史の始まりは19世紀初頭。その後相続や継承を経て、貴族の称号「フォン」の名を持つレオポルト・フォン・ウィニング氏に引き継がれた1907年から現在の体制が築かれます。
品質追及への証と言えるのが、フォン・ウィニングはVDP(ドイツ高級生産者連盟)を設立した功労者の一人である点。スクリューキャップやキャップシールに描かれる鷲のマークが目印です。
《このワインについて》
ワイナリーのスタンダードクラスであるグーツワイン(Gutswein)に位置付けられるリースリング。
柑橘や桃のような教科書的で上品なリースリングの香り。キレのいい辛口で軽い口当たり。リースリングなのでもちろん酸味は高いのですが、ドイツ全体からみるとやや穏やかで丸みを帯びた印象です。
まるで「ドイツ全体のリースリングを平均したらこんな味わいですよ」と言わんばかり。優等生的で嫌われる要素が少ない、八方美人な白ワインです。
Von Winning Riesling Trocken