《サウス・イースタン・オーストラリアについて》
オーストラリアという国は、生産地域に対する考え方が少し特殊です。ヴィクトリア州、南オーストラリア州といった行政区分上の産地をまたがってワインをつくる生産者がいくつもあり、産地区分が意味をなさないことがあるからです。特に内陸部のリヴェリナやマレー・ダーリングといった地域は、超巨大な平野でマレー川を水源に大量生産が行われているエリア。そういった地域のブドウからつくられるワインについて、「サウス・イースタン・オーストラリア」という生産地域名が使われます。
《生産者について》
アンドリューピースは1995年にワイン醸造を開始。灌漑設備を整えた1600haと広大な自社畑から、年間3万トン以上のブドウを収穫してワインをつくります。中にはテンプラニーリョやサグランティーノといったオーストラリアでは珍しい品種も栽培しており、挑戦的な生産者です。GPSによる区画管理を取り入れており、大量生産だからといって決して質が低いわけではありません。
環境保護への取り組みもしっかりしており、水資源は100%再利用、ソーラーパネルによって電力を賄っています。
この効率的な大量生産が、安くて旨いワインを安定して提供することを可能にしています。
《このワインについて》
メントールやユーカリ、ミントのようなカベルネ・ソーヴィニヨンらしい香りに、ダークチェリーやカシスの風味も感じます。程よい渋味と酸味がオーク樽熟成の風味にうまくまとめられており、引っかかりなく飲めるワインです。
低価格のあまり収量制限をしないカベルネ・ソーヴィニヨンは、ボディ感に欠けて酸味が目立つことがあります。このワインはシラーズの果実味がそれをうまく補っており、価格に対して満足度の高いワインです。
Winemakers Notes Cabernet Shiraz Batch 108 Andrew Peace