《ボルドーとトスカーナ》
フランスとイタリアを代表する大規模ワイン産地であるこの2か所。共通点がたくさんあります。
その一つはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローが盛んに栽培されていること。そして比較的大規模な生産者が多く、手ごろなワインからプレミアムワインまで幅広くつくられていることです。
逆に相違点としては、トスカーナの方がより暖かい気候であるほか、ブドウ生育期の雨がトスカーナの方が少ないことが挙げられます。
ブドウ栽培において困難の多いボルドーだからこその、人々の工夫とそれを通した奥深さも魅力です。
でも普段の晩酌には、小難しさのない手ごろなワインの方がいいこともあるでしょう。トスカーナの豊かな日照を思わせる明るい果実味は、シンプルゆえの飽きの来ない満足があります。
《テイスティングノート》
色の濃いチェリーやカシスのリキュールのような、熟した甘いベリーの香り。そこにコーヒーのようば香ばしい香りもあります。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローに出やすい、ミントのような青い香りはほぼ感じません。舌の上に広がるやわらかい果実味はとてもなめらかで、1000円台半ばのこの価格にしては十分に濃厚です。
D'Echo