
春の陽気と気持ちのいい風にフィットするワインを選ぶなら、明るいフルーツや花の風味と軽快さがポイントです。寒さもありつつ暖かくなってくる季節だからこそ、酸味より風味での爽やかさが心地いいのです。今回は純粋に香りと味わいで、春のこの季節にピッタリなおすすめワインを選びました。爽やかな風味で心がか軽くなるようなワインを味わえば、新たなチャレンジを始める活力が湧いてくることでしょう。
春にピッタリのワインとは
春はあなたにとってどんな季節ですか?
卒業や入学・人事異動の季節であるから、「出会いと別れ」というイベントを思い浮かべる人も多いでしょう。
一方で寒い季節が終わり段々と暖かくなって、様々な植物や動物が活動を始める季節でもあります。

今回は季節の移ろいや動植物から感じる『春』のイメージにあわせ、次の2つの条件でピッタリのワインを選んでみました。
◎花のような香りを感じるワイン
◎春をイメージさせる爽やかさを持ったワイン
春は花の季節
春の花といえば日本では桜が主役ではありますが、それ以外にも様々な花が咲く季節です。
花の色や香りが我々の心を明るくしてくれるのは夏も秋も同じ。それでも花の色どりが少ない冬を過ごしてからの春は、他の季節とは感じ方が異なります。

ワインにも花の香りを感じます。春という季節にあわせて、花の香りがするワインを選ぶ。これが「春ワイン」の提案の一つ目です。
白ワインなら白や黄色の花、赤ワインなら赤や紫色の花のイメージのように、華やかな香りを持つワインは、飲む人の心を明るくしてくれます。
花の香りのするワインの選び方
そのワインが花のような香りを持つかどうかは、まずはブドウ品種で決まります。
花のアロマが出やすい品種もあれば、どちらかと言えばフルーツ主体のものもあります。シャルドネなどは花のアロマもありますが、オーク樽の風味が強く出る場合は相対的に弱くなります。
暖かい産地で熟度の高いブドウからつくられるワインは、トロピカルフルーツのアロマを強く感じる傾向があります。それよりも一、二段階熟度が低め。適度に涼しい産地で高くはないアルコール度数に仕上げられたワインの方が、花のアロマはよく感じます。

花のアロマはブドウが本来持っているものや、発酵の過程で現れてくるものです。これらのアロマは若いワインの方が顕著に感じられます。
「若い」の定義はなかなか難しいのですが、原稿執筆時が2025年3月ですので、2022年以降なら「若い」と言って差し支えないでしょう。
ワインの味わいにおける「爽やか」な春
「爽やか」という言葉が一番当てはまる季節は、間違いなく春でしょう。この言葉には、「すっきりとして清々しく心地よい。清涼感がある」などの意味があります。
これをワインに当てはめるとしたら、次の要素に当てはめられるでしょう。
○フレッシュな酸味や泡(若いワインで適度に高い酸味)
○明確な果実や花、ハーブの風味(高日照地域)
○軽快な飲み口(アルコール度数が高くない)
こういった特徴を持つワインは、この季節に小難しいこと抜きに身体になじむように感じます。
「高日照地域」のワインとは
高日照地域のワインの方が香りによりハッキリしたフルーツを感じる傾向があります。
「高日照」とは豊富に太陽光を浴びているということ。ブドウの生育期にほとんど雨が降らなくて、晴れの日続きなら当然高日照です。多少は雨が降るとしても、緯度の低い地域は太陽光が強いので、高日照と言えます。

ヨーロッパの伝統産地は、高緯度で太陽の光が強くなくとも、海流などの影響で暖かくブドウが熟す地域が選ばれてきました。そういった伝統産地のワインは、香りはしっかり感じるのに、フルーツのニュアンスが弱いワインも多く見受けられます。
一方でヨーロッパ以外の新興生産地域は、緯度の割に涼しいところが選ばれてきました。ブドウはよく熟す上に酸味を保てます。そういった地域のワインは、酸味もきちんとありながら、明快なフルーツの香りを持つ傾向があります。

単純に産地で日照量を分類することはできません。とはいえ高日照地域の明確なフルーツが現れたワインの方が、飲んだ時に明快で明るい印象を受けることは確かです。
これに加えて程よいアルコール感とフレッシュな味わいを併せ持てば、春に相応しい「爽やか」なワインと言えるでしょう。
気持ちを明るくしてくれそうな春ワイン6選
春の花を想わせる香りが豊かに漂うワイン。春の陽気を想わせる爽やかな味わいのワイン。
この2つのポイントに注目して、気軽に手を出せる家飲み価格でおすすめワインを選びました。きっとこのワインを開ければ、いつもの食卓が一気に春めいてくるはずです。
まるでお花畑に立っているかのよう
花の香り
春の爽やかさ
フェテアスカ・レガーラはこのルーマニアで1.6万haと非常に広く植えられている重要品種。「王家の乙女」というなんとも気品ある名前を持ちます。
フレッシュなフルーツや白・黄色の花の香りを持つアロマティック品種の一つで、特にこのワインは花の香りが豊かに現れています。最初試飲したときは、香りをかいでお花畑に立っているようなイメージを持ちました。


味わいとしてはスッキリ辛口でやや軽快な口当たり。酸味は少し高めですがシャープさはなく、好き嫌いなく楽しんでいただきやすいタイプでしょう。
春から夏に美味い爽快感
春の爽やかさ
こちらは少し肌寒さを感じる春というより、春から初夏にかけて本領を発揮する味わいでしょう。
ソーヴィニヨン・ブランはもともとスッキリ爽やかなワインになる品種。グレープフルーツや青草を想わせる香りと、ドライで高い酸味が特徴です。
ニュージーランドのマールボロが人気産地ですが、それよりさらにドライでフレッシュ感にあふれるのがこのブルース・ジャック。南アフリカの恵まれた日照ゆえに、明るいフルーツ感が存分に表現されています。
甘い香りとドライな味わいのギャップがいい
花の香り
パーラヴァはチェコとスロバキアでわずかに栽培される、非常に珍しい品種。アロマティックな品種を親に持つため、この品種もフルーツや花の甘い香りがします。白というよりは黄色の花が近いでしょうか。
甘そうな香りがするのに、実際に飲んでみたらドライな味わい。そのギャップが印象に残るらしく、一度飲んだらハマっちゃう人続出なんだとか。
きっとあなたにとって初めてのスロバキアワイン。ぜひ他にはないこの品種から。


品種のイメージを覆す爽やかさ!
花の香り
春の爽やかさ
「オーストラリアのシラーズ」と聞けば濃厚パワフルなイメージがあるかもしれませんが、このロゼは全く逆。専用に早摘みされたブドウにより、フレッシュな酸味とやや低いアルコール感、そして明るいフルーツや様々な色の花を想わせる香りがクリーンに広がります。まさにこのエチケットのイメージどおり。
シラーズでこんな儚げなワインがつくれるのかとびっくりします。
手頃な価格がむしろいい!
春の爽やかさ
もともとオーストリア品種であるツヴァイゲルトは、北海道の赤ワインとしてよく見かけます。このように手頃なものから5000円オーバーの飲みごたえあるものまでありますが、春に飲むなら手頃なこのワインこそピッタリ!
果実の凝縮感はほどほどで渋味はほとんどなし。なのに酸味が尖らないように上手に醸造されています。
決して明るいフルーツの香りとは言えませんが、梅っぽい風味と軽快な口当たりは、十分春に相応しい爽やかさです。


春と言えばソアーヴェ!
花の香り
春の爽やかさ
それほど明確なフルーツの香りを持たず、それゆえ白い花の香りをよく感じる伝統ワインが「ソアーヴェ」。
ライトな口当たりとやや高めながら鋭くない酸味で、「料理にあわせる」というよりも「食卓にあれば食が進む」タイプのワインです。そのスプマンテ(スパークリングワイン)となれば、そりゃもう爽やかさ抜群!
これを休みの日の明るいうちから開ければ、ご機嫌さんな休日になること確定です。


香りでワイワイ会話が弾む食卓を
今回ご紹介したワインは、何かしらのいい香りをしっかりと感じるはずです。
そのいい香りを言葉にするのは、香りに対する敏感さもありますが、各自の体験こそ重要です。
この記事では「白い花」とあえて限定せずに書きました。みなさまのイメージをあえてぼやけさせるためです。知らない花の名前を書かれてたって、難しい印象を与えてしまうでしょうから。


だからこそワインを飲むときは、自分の経験にある花の香りを比べてみてください。具体的にはどんな花を想像しましたか?
もし一緒にワインを飲む人がいるなら、頭をひねって言葉にしてみましょう。どんないい香りがしますか?
ワインの味と香りだけでなく、あなたと大切な人とのにぎやかなおしゃべりで、春の食卓に彩りを添えましょう!