《生産者について》
ジョセフ・クローミー氏はかつてその身ひとつでタスマニアに渡り、炭鉱夫から始めて実業家の頂点にたどり着いた伝説的な人物。「タスマニアの父」と呼ばれています。
人口の少ないタスマニアで、食肉業の経営に苦しんでいた時、日本の商社に助けられたのだとか。その縁で日本へのワインビジネスに非常に好意的です。
《このワインについて》
ピノ・グリは「ピノ・グリージョ」の名でイタリアを中心に低価格ワインは大量に作られています。しかし、アルザスの甘口を除いてあまり高級なピノ・グリは見かけません。その理由は、収穫期に急激に酸度が落ちるから。温暖な環境で過熟させてしまうと、酸のないぼやけた風味のつまらないワインになりがちです。ゆえにこの冷涼なタスマニア島で、シャルドネ、リースリングに次いで生産が増えている品種です。それはもちろん、世界に通用するレベルの高いピノ・グリをつくるため。
このピノ・グリは、フレッシュなアロマを損なわないように夜間に収穫されました。果汁は直接ステンレス・スチール・タンクにて圧搾されます。醸造にオーク樽を使わないことで、フレッシュさを保っています。
《テイスティングノート》
薄っすらとオレンジがかったクリアな色合いです。口に含むと洋ナシやイチジクのようなフレッシュで柔らかな果実の甘みを感じます。冷涼気候からくる酸とミネラルがワイン全体の輪郭をピシっと締めており、メリハリのある味わいが心地よく、余韻には果皮のコクや計算された苦みを感じます。
Josef Chromy Pinot Gris