《ブル・シャルの代替》
2021年の大霜害を受けて、いまブルゴーニュワイン、特にピュリニー・モンラッシェなどの人気生産地のシャルドネが非常に品薄です。この状況は2022年ヴィンテージが入港するまで解消されそうにはありません。
では代わりになるものを探すとしても、カリフォルニアのシャルドネでは上品な酸味とミネラル感に不足を感じる人も多いはず。
ならばドイツのシャルドネはいかがでしょうか?グラン・クリュに匹敵するものはまだないかもしれませんが、1級に近いものはつくられ始めています。
《生産者について》
フリードリッヒ・ビッカー醸造所は、ファルツ地方の中でもフランス・アルザスに面した国境近くにあります。 ゴーミヨ誌で8年連続最優秀赤ワイン賞を受賞するほどの、ピノ・ノワールの名手です。
所有する畑の土壌は「クロ・ド・ヴージョに似ている」と生産者は考えており、粘土石灰質の土壌から素晴らしいピノ・ノワールとシャルドネをつくっています。
《このワインについて》
ベッカー醸造所のあるシュヴァイゲン村。その村名格にあたる、クラシックなブルゴーニュスタイルのシャルドネ。新樽比率は40%で、ヴァニラの甘さではなく樽熟成による味わいの骨格を感じます。しっかり硬質なミネラル感があり、樽感強め。個人的にはシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェやフランソワ・カリヨンのような骨格しっかりなワインをすくる生産者の、ピュリニー・モンラッシェ村名格のような雰囲気を感じました。
ドイツのワイン評価誌『ファルスタッフ』にて2021年、「シャルドネ・トロフィー」のNo.2に選ばれました。ちなみに1位は「ベッカー・シャルドネ・ミネラル」というこの上級ワインです。
Becker Schweigen Chardonnay