《生産者について》
メンヒル・サレントはプーリア州に位置するワイナリー。中世の街並みを残す歴史ある街ミネルヴィーノの中心にあります。
創業当時からの哲学は「尊重と保護」。この土地の重要性を常に意識してきたからこそ、この街にのこる遺跡、ドルメン(巨石墓)やメンヒル(立石)を丸ごと保存する事業にも力をいれています。
《このワインについて》
「サリーチェ・サレンティーノ」とはプーリア州の名産ワイン。もともとは観光地「レッチェ」近くにある街の名前で、その周辺でつくられてきた伝統の赤ワインです。ブドウ品種は主にネグロアマーロ。「アマーロ」とはイタリア語で「苦い」という意味で、色合いが濃く、果実の甘いニュアンスがある程度あり、タンニンを豊富に含むのが特徴です。ただ、その渋味はあまり尖ったものではないため、渋みが苦手な方もあまり心配する必要はありません。「同産地のプリミティーヴォよりはタンニン豊富」くらいの認識でいいでしょう。
メンヒルのワインとしては、「0 ネグロアマーロ」という製品もあり、そちらの方が人気です。「サリーチェ・サレンティーノ」の方が上級にあたりますが、その価格差は200円程度。その違いとはブドウの平均樹齢で、「0」が15年程度なのに対して「サリーチェ・サレンティーノ」は40年ほどです。樹齢による味わいの違いについては、「樹齢が上がるほどブドウの収穫量が減るので、風味が凝縮して高品質になる」と説明されます。しかしこの2本に関しては、決して「樹齢が高い方が濃い」ではありません。サリーチェ・サレンティーノの方がアルコール度数が低いことも。
その分、心地よい酸味がもたらす上品さがあります。樹齢が上がって根を地中深くに伸ばす分だけ、地表の猛暑の影響を受けにくいのでしょう。
《テイスティングノート》
ブルーベリーやチェリー、ラムレーズンのような熟度の高い濃密なアロマ。シナモンやコーヒーなどのニュアンスもあります。フルボディといって構わない力強さとタンニンはありますが、べったり甘いわけではありません。適度にタンニンと酸味が引き締めるバランス感のいい味わい。
たくさんのワインの中で飲み比べても、埋もれて印象が薄れがち。一口目よりも1本飲み切ったときの印象がいいワインと言えるでしょう。
Menhir Salice Salentino