地球温暖化が顕著なブルゴーニュ。2007年や2004年のような「熟度の低いなかのエレガンス」はもはや幻となりつつあります。
風味としてそっくりとは申しませんが、俗に「ハズレ年」と言われるときの「ちょっとだけ足りない故の不完全の美」が感じられるかもしれません。
《生産者について》
ラッツェンベルガーはラインガウからライン川を少し下ったところにある、小さな生産地。黒色粘板岩土壌が、ワインにしっかりとしたミネラル感を与えます。
現在所有している畑は25ha。この産地の1/20の面積に当たり、地域を代表する生産者です。
《このワインについて》
グラン・クリュであるザンクトヨースト、ヴォルフスヘーレの畑は主にリースリングが植えられていますが、少しだけピノ・ノワールも植えられています。スパークリングワインにも使われて、当店でも人気アイテムですが、赤ワインを作っても美味しいんです。
《テイスティングノート》
程よい熟成によってベリー系の果実感は落ち着き、ドライフラワーやサフランのアロマ。口当たりは産地の冷涼さを感じさせますスムースかつ軽やかなもの。味わいにはごくわずかな果実の甘やかさとほのかな出汁の旨味を感じます。。凝縮感の高さはない割には、じんわりとした旨みを伴う余韻が長く続きます。舌の両脇に鉱石のようなざらつく風味を感じる、玄人受けしそうなピノ・ノワールです。
Ratzenberger Bacharacher Spatburgunder