《生産者について》
醸造家のロビン・バゲットが40年前にこの地にやってきたのは、牛の牧場を営むためでした。しかしこの地がピノ・ノワールにとって大変すばらしい土地であることを見抜きます。
エドナ・ヴァレーは非常に冷涼な産地です。カリフォルニアでは「北に行けば涼しく南は暖かい」はあまりあてはまりません。沿岸を流れる海流が寒流であるため、海からの距離とその冷たい風がいかに吹き抜けるか。距離と地形が重要です。その点、火山性丘陵地帯が北西から南東に走るエドナ・ヴァレーは、単に冷涼なだけでなくいろいろな微気候がみられる場所です。
《このワインについて》
このトローサも当然、主力はピノ・ノワールとシャルドネです。しかし、価格の割に飛びぬけて美味しいというほどではありません。
試飲してその味わいにビックリしたのが、意外やシラーです。冷涼な気候なので、シラーが十分糖度が上がるためにはかなり長い成熟期間が必要です。その長さゆえに複雑な風味が緻密につまっていながら、アルコール度数の割に軽い口当たりとなっているのです。
《テイスティングノート》
ブラックチェリーや黒コショウ、スミレ、オリーヴなどのアロマ。口当たりは驚くほど軽やかでスムース。上品でみずみずしい酸味と共に飲み疲れしない味わいです。
ガツンと濃厚で評論家の高得点を狙うようなタイプではなく、エドナ・ヴァレーの個性を表現した食事に寄り添うワインに仕上がっています。
Tolosa Syrah Edna Ranch