《生産者について》
フランスとスイスとの国境線沿いに位置し、ドイツで最も温暖な地、バーデン地方。そこで今、最も注目を集めているのがフーバー醸造所です。
初代当主ベルンハルト・フーバーさんが研修生だったころ、13世紀の古文書に出会い、そこで故郷マルターディンゲン村がかつてピノ・ノワールの一大名産地だったことを知ります。1987年、当時加盟していた協同組合を脱却、醸造所を立ち上げ、まさにゼロからのスタートをきりました。残念ながら、2014年6月、55歳の若さで永眠されたベルンハルトさん。今はその熱き魂を受け継いだ息子であり新当主のユリアンさんによって素晴らしいワインが生み出され続けています。
《このワインについて》
5年前ならフーバーさんのグラン・クリュは、1,2年輸入元で熟成したものが飲めたものです。しかし近年は、フーバーの美味しさに気づく人が増えてしまって、特級クラスもポンポン売れていきます。
2022年度からは秋に最新ヴィンテージが限定品として入ってきて、それが1年分。予約がとられて、下手するとそれで完売。来年をお楽しみにという状況になりそうです。もはやブルゴーニュの人気生産者並み!
そうして手に入りにくくなってしまった特級の代わりに、今注目すべきが「アルテ・レーベン」。マルターディンゲン村の特級区画以外の畑から、樹齢の高いブドウからつくられます。村名の「マルターディンガー」とは明らかに風味の奥行きが違うワインです。それがまさにエチケットの色に現れていて、フーバーのえんじ色ラベルなのです。
特級ワインの価格が上がり、村名との価格差が大きくなってしまった今、1万円強で楽しめるフーバーとして満足度の高い1本です。
Huber Spatburgunder Alte Reben