《生産者について》
1933年のアメリカの禁酒法廃止。その後ナパ・ヴァレーで2番目に早く、醸造施設をフル装備したワイナリーを立ち上げたのがシャペレでした。
今でこそナパ・ヴァレーの土地は激しい争奪戦で、コネもなく新規に取得することなどほぼ不可能ですが、当時は他の作物がなかなか育たない痩せた土地という認識。その中で伝説の醸造家アンドレ・チェリチェフ氏の「質の良いワインをつくるなら、丘陵地の畑だ」という言葉を信じ抜き、通称「山カベ」の可能性を示してきたワイナリーです。
山カベはその名の通り山の斜面に畑をつくるため、標高が高く風がよく通ります。南北に広がるナパ・ヴァレーにおいて斜面は概ね東向きか西向きであり、日照が制限される分冷涼な畑となります。結果として谷底の平地で栽培されるものに比べ、酸が豊かで上品なワインが出来上がります。
《テイスティングノート》
ボルドー品種5種類のブレンド。カシスやセージ、タイムのような複雑で爽やかなアロマ。香りの時点で4000円前後のナパ・カベとは全く違うことが分かります。
芳醇に熟したベリーの風味をしっかり酸が支えており、端正な余韻で終わります。
一口のインパクトでいえば、このワインより1000円程度安いナパのカベルネの方が強いでしょう。しかし、1本飲み切ったあとでまた買いたくなるのは、このワインのはずです。
Chappellet Mountain Cuvee